研究課題/領域番号 |
04267201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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研究分担者 |
東田 道久 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20207525)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / プロテインキナーゼC / イオンチャネル / トランスボーター / 神経突起形成 / 抗うつ薬 / ツメガエル卵母細胞 / NG108-15細胞 |
研究概要 |
ラット脳mRNA移入ツメガエル卵母細胞上に再構成される3種のグルタミン酸受容体応答系、すなわち、(1)NMDA型応答、(2)AMPA/カイニン酸型応答、(3)代謝型応答へのプロテインキナーゼC(PKC)の関与について検討した。PKC協性化薬のTPAはNMDA型応答を著しく増強し、一方、代謝型応答は完全に抑制した。カイニン酸応答には無効であった。TPAによるNMDA型応答の増強作用は、PKC阻害薬のstaurosporineで抑制され、外液Ca^<2+>に置換することにより消失した。また、この増強作用は、Mg^<2+>存在下でNMDA型応答に電位依存性が認められる造合には観察されなかった。以上の結果より、PKCの活性化とCa^<2+>流入は協調してNMDA型応答を選択的に増強すること、この作用は電位依存性の発現によりブロックされることが明らかとなった。Desiprramineやimipramineなどの一部の抗うつ薬は、NMDA受容体自身が形成するカチオンチャネル内のおそらくMK-801結合部位に不可逆的に結合し、イオンコンダクタンスを変化させることによりNMDA型応答を抑制することも見いだした。また、卵母細胞上の脳グルタミン酸取り込み機構についての検討も行い、mRNA移入により発現するグルタミン酸取り込み機構は、卵母細胞上に生来存在するものとはその性質が異なり、トリプトファンによりその活性が抑制されることも見いだした。さらに、NG108-15細胞のCキナーゼとAキナーゼの活性を制御することにより不可逆的突起形成を生ずることを、我々は以前に報告しているが、それに関与する内因性因子の同定を遺伝学的手法を用いて検討し、現在まで3種のクローンを得て、その解析を急いでいる。
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