研究課題/領域番号 |
04267212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
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研究分担者 |
大杉 武 大阪大学, 医学部, 助手 (50176880)
樋口 宗史 大阪大学, 医学部, 助教授 (30150337)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | in situ DNA-Protein Binding / モルヒネ / アンフェタミン / コカイン / 薬物依存 / 転写調節因子 |
研究概要 |
本研究は、薬物耐性・依存を引き起こす、モルヒネ、メタンフェタミンおよびコカインを取り上げ、耐性・依存形成機構を遺伝子レベルから追求することを目的としている。メタンフェタミンやコカインをマウスに反復投与すると、感受性の亢進(逆耐性)が現れる。一度獲得した感受性亢進は、休薬後も保持され、薬物の再投与により、フラッシュバック現象が見られる。ヒトにおいても興奮薬精神病として、妄想や幻覚が現れ、休薬後も持続する。この現象の成因は不明であるが、脳内の特定遺伝子が長期にわたり変化している可能性が考えられる。申請者らは、転写調節因子のDNA結合活性を脳凍結薄切片で鋭敏に検出する新しい方法(in situ DNA-Protein Binding(in situ DPB)法と命名)を開発した。この方法を用いて、アンフェタミンやコカイン慢性投与により、マウス脳内AP-1結合蛋白質活性が、海馬、扁桃体、大脳皮質、視床下部などで、著明に増加していることを見いだした。さらに、慢性投与した動物において、一ケ月休薬後も、AP-1結合活性の増加が維持されていることも見出した。また、モルヒネ慢性中毒の場合には、逆にCRE(cAMP response element)結合蛋白質活性が、扁桃体、大脳皮質、視床下部で、著明に減少していること見いだした。また、この現象は、3週間以上持続することも見いだした。このように、insitu DPB法は、脳局所における薬物による長期の転写調節因子の活性変化を鋭敏に検出できる有効な方法を提供すると共に、薬物耐性依存形成および退薬現象の分子レベルでの研究に新しい方向性を示すものである。
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