研究課題/領域番号 |
04267216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルタミン酸 / NMDA / 小脳顆粒細胞 / c-fos / AP-1 / 海馬 / けいれん / BDNF |
研究概要 |
最近のin vivo解析により、グルタン酸レセプター刺激によってc-fosなどの一連の誘導性の転写制御因子遺伝子の活性化が脳内神経細胞中で引き起こされることが明らかとなっている。しかし、これら遺伝子の生理的役割は全く明らかとなっていない。また、シナプス伝達によって引き起こされる遺伝子発現レベルの変化が、高次神経機能発現にどのように関わっているのかという点についても全く未知である。以上の観点から、本研究では、マウス小脳顆粒細胞のグルタミン酸応答性を遺伝子発現レベルから検討した。 すでに、N-methyl-D-aspartate(NMDA)やカイニン酸(KA)投与によって、AP-1結合活性の誘導が引き起こされることを認めている。本年度は、このAP-1活性化が細胞外Ca^<2+>の細胞内流入に依存していること、及び、プロテインキナーゼC(PKC)の活性化が関与していることを明らかにした。このAP-1は、c-Fosを含むにも拘らず従来のc-Fos/c-JunによるAP-1とは異なったDNA結合親和性と成合構成を示した。さらに、小脳と海馬の初代神経細胞でも異なったAP-1の成分構成が示された。また、このAP-1結合活性には構成蛋白質のリン酸化が重要であることを明らかにした。現在、KA刺激によって、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)遺伝子の発現が活性化されるので、AP-1活性化との関連を検討中である。 これとは別に、生体脳局部からの核抽出液調整法の新たな検討を行った。この方法は、凍結脳切片より湿重量約1〜3mgの脳組織をパンチアントして行うものである。実際に、NMDA,KA投与マウス脳の海馬領域、大脳皮質、扁桃核によって高いAP-1活性の上昇が認められた。この方法は、脳局部における特定遺伝子発規制御機構を調べる上で有効な手段を提供するものと思われる。
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