研究課題/領域番号 |
04267217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉本 谷博 徳島大学, 医学部, 助教授 (60127876)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アラキドン酸 / 12_-リポキシゲナーゼ / モノクローナル抗体 / 中枢神経 / 下垂体 / 酵素免疫測定法 |
研究概要 |
アラキドン酸12_-リポキシゲナーゼは、アラキドン酸などの炭素20個の不飽和脂肪酸の12番目の炭素に分子状酸素を導入して、12_-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(12_-HPETE)を生成する酸素添加酵素である。この12_-HPETEは還元されて水酸基をもつ12_-ヒドロキシ酸(12_-HETE)になり、またエポキシン基をもつヘポキシリンA_3に変換される。これらの12_-リポキシゲナーゼ産物が、視床下部 らのLHRHの放出や、松果体におけるメラトニン合成を促進するという報告や、海産物動のアメフラシの神経節における神経伝達のセカンドメッセンジャーとして作用しているという神経内分泌学的知見がある。脳の12_-リポキシゲナーゼの酵素学的研究は、最初Wolfeら(カナダ)がラット脳にその活性を見いだし、渡辺ら(鳥取大)はイヌ大脳に酵素の存在を確認している。以前に私達は、ブタ白血球から精製した12_-リポキシゲナーゼに対するモノクローナル抗体を調整した。本計画研究では、神経組織中の12_-リポキシゲナーゼの含量を定量するために、酵素蛋白の異なるエピトープに結合する2種類のモノクローナル抗体を利用して、イムノプレートを用いた酵素免疫測定法を開発した。この高感度の測定法を用いて、ブタの脳の各部分における12_-リポキシゲナーゼ含量を調べると、下垂体前葉に最も多くの酵素蛋白が検出され、他の部位ではその5%以下であった。また、抗体を用した免疫組織化学で調べると、12_-リポキシゲナーゼは下垂体前葉のある種の実質細胞の細胞質に認められた。今後神経組織における12_-リポキシゲナーゼの病態生理的意義やその動態を追究するために、取り扱いがより簡単なラットを実験動物として、分子生物学的手法などを用して詳しく解析してゆく画計である。
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