研究課題/領域番号 |
04267219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 医大部, 教授 (00126054)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | GABA / カルシウム結合蛋白 / Purkinje cell / 小脳 / 免疫細胞化学 / 定量解析 |
研究概要 |
神経細胞内でのカルシウム結合蛋白parvalbuminPVの局在を明らかにするため小脳のPurkinje細胞をモデルとして選び、コロイド金(直径15nm)標識二次抗体を用いた、いわゆるコロイド金免疫電顕を行なった。直接倍率1万倍で撮影し、写真上でPurkinje細胞及び他の細胞の各部位を同定し、単位面積(1mm^2)当たりのコロイド金粒子数を測定した。コロイド金免疫電顕におけるコロイド金密度と抗原密度との相関について調べる目的で、既知量のPVを含有している標準試料を作製した。ラットの筋肉からHPLCを用いてPVを精製し、牛血清アルブミンに一定量の精製PVを溶解し、固定液(グルタールアルデヒド)を混合して固定した。固定した標準試料は脳組識と全く同様の方法でLowicry1樹脂包理し、電顕レベルでの包理後免疫細胞化学を行なった。 コロイド金密度(粒子数/μm^2)は細胞体及び樹状突起で15-20、軸索及び軸索終末50-60であり、明らかに細胞内におけるPVの濃度差があった。速筋であるm.gastronemiusでは生化学的解析により細胞内のPV濃度が300-550μMと推定されるがコロイド金免疫電顕でのコロイド金密度をPV標準試料のCalibration curveで検討したところ筋内PV濃度は400μMであると推定された。このことからPV標準試料のCalibration curveが一般の生物試料に適用できることが明らかになった。これに基づいてPV濃度を細胞体樹状突起では50-100μM、軸索及び終末部では1-2mMであろうと推定した。PVは小脳Purkinje細胞内分布での解析から、ニューロンの出力部である軸索及び軸索終末により高濃度存在していることが示唆された。このことはPVの発現が発生的にはニューロンの成熟と平行して増加してくることも含めて、その機能を考える上で重要な意味を有していると思われる。
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