研究課題/領域番号 |
04268204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
久永 眞市 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (20181092)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / タウ蛋白 / ニューロフィラメント / リン酸化 / cdc2キナーゼ |
研究概要 |
アルツハイマー病患者脳において特異的に検出されるpaired helical filaments(PHF)は、異常にリン酸化されたタウ蛋白が主な構成成分である。PHF形成の仕組みを明らかにするためには、タウ蛋白をリン酸化するキナーゼの同定が必須である。一方、タウ蛋白の異常リン酸化部位はニューロフィラメントHサブユニット(NFH)のリン酸化部位を認識する抗体によって認識されていることが知られている。そこで、NFHをリン酸化する酵素がタウ蛋白もリン酸化しているのであろうと考え、NFHキナーゼをブタ脳から精製した。NFHキナーゼは脳の微小管に結合しており、微小管分画から、DEAE、ハイドロキシアパタイト、ゲルロ過、MonoQ、SPの各カラムクロマトグラフィーを用いて高度に精製した。NFHキナーゼは32Kと25Kの2つのサブユニットから構成されていた。NFHキナーゼは脱リン酸化されたHサブユニットを最もよくリン酸化し、Mサブユニットは少しだけLサブユニットはほとんどリン酸化しなかった。NFHキナーゼはヒストンH1を非常によい基質としており、cdc2キナーゼとよく似た酵素的性質を示したが、cdc2キナーゼに共通に反応するPSTAIR抗体によっては認識されなかった。しかし、cdc2キナーゼに特異的に結合する分裂酵母のsuc1蛋白とは結合した、NFHキナーゼはタウ蛋白もよくリン酸化し、リン酸化することにより、タウ蛋白のSDS-PAGE上の移動度を減少させた。PHFでみられるタウ蛋白の異常リン酸化は、SDS-PAGE上の移動度の減少を伴うことが知られており、NFHキナーゼがPHF形成を引き起こすキナーゼの候補の一つとして考えられた。
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