研究課題/領域番号 |
04268213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究分担者 |
武田 泰生 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (60245462)
矢崎 貴仁 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (80200484)
三浦 正幸 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (50202338)
阿相 晧晃 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (30104160)
白尾 智明 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (20171043)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 細胞接着蛋白質 / L1 / 神経突起伸展 / 神経細胞 / アストロサイト / NCAM / グリア線維性酸性蛋白質 / ラミニン |
研究概要 |
神経組織には特徴的な細胞接着蛋白質群が存在し、それらは神経系の組織構築における諸過程に重要な役割を果すとともに老化、再生にも関与する可能性が示されている。本研究では細胞接着蛋白質L1とその関連蛋白群の構造と機能の解析を行ない、老化におけるこれらの分子群の量的、構造的、機能的変化を検討し、機能回復に関する病態生理学的研究を行なうことを目的とする。平成4年度における成果は次のようである。 1.ラットL1cDNAを培養細胞へ導入し、発現する系を確立し、細胞膜表面に発現したL1の機能解析を行なった。L1発現細胞は非発現細胞に比較して、有意の細胞接着性を示し、細胞塊を形成し、その接着様式は同種細胞同士のホモフィリックなものであった。L1発現細胞は神経細胞と強い接着作用を示し、神経細胞の突起伸展を強く促進し、成長円錐の発達を促し、神経細胞の遊離移動を促進した。 2.老化のモデルとして約19カ月長期培養したアストロサイトについて、約1カ月短期培養したものと比較検討した。ラット胎生20日目の大脳皮質より分離し長期培養した細胞はグリア線維性酸性蛋白質抗体等との反応性より、アストロサイトの特徴を保持していることが確認された。この長期培養細胞は正常アストロサイトと比較してNCAMの発現の著明な減少およびラミニンの発現の明瞭な増大が見出され、神経細胞と共培養した場合、アストロサイトと神経細胞との相互接着の明瞭な減少が観察された。老化したアストロサイトではNCAMの発現量が減少し、神経細胞との接着性も減少し、アストロサイトと神経細胞間の相互接着が変化する可能性が示唆された。
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