研究課題/領域番号 |
04268220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
仙波 りつ子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (80100163)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 神経成長因子 / 老化 / 脳 / 酵素免疫測定法 / NADHサイクリング / ラット / マウス |
研究概要 |
脳における神経栄養因子の濃度が、神経細胞の生存を左右し、老化脳にみられる神経細胞の変性、脱落を起こすか否かを明らかにするため、本年度は、神経成長因子(NGF)の測定系を用いて以下の実験を試みた。 1.脳のどの部位に、NGF濃度の加齢変化があらわれるかを明らかにするため、まず、ラットおよびマウスを用いて、脳の各部位のNGF含量を酵素免疫測定法により測定した。この結果、海馬のNGF含量が老齢ラットで低下していた。この低下は、雌で非常に顕著であった。一方、マウスでは、NGF含量に雌雄差のみられる部位があったが、少なくとも、生後一年までは加齢にともなうNGF含量の変化は観察されなかった。 2.記憶障害を持つ老化促進マウスでは、海馬および大脳皮質のNGF含量が、対照群でも老化促進マウスでも8カ月齢で急激に減少していた。しかしながら、老化促進マウスのNGF含量は、対照群に比べ高い値を示した。この結果から、老化促進マウスの老化は自然老化とは状況が少し異なること、NGF含量の変化には系統差のあることが示唆された。 3.脳の部位を用いたNGF含量の検索では、老化とNGF含量の間に必ずしも一定の関係が得られなかったので、神経細胞のNGF含量の測定を計画した。まず、NGF測定の感度上昇をはかるため、高感度酵素免疫測定法とNADHサイクリング法を組み合わせ、54x10^<-18>モルのNGFを2.5X10^<-9>モルまで増幅できた。 以上の結果から、老化と神経栄養因子の濃度との関連を深るには、神経細胞の神経栄養因子の含量せ測定することが必要であること、高感度酵素免疫測定法とNADHサイクリング法を組み合わせることにより、それが可能になることが明らかになった。
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