研究課題/領域番号 |
04268221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大平 敦彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 部長 (20101074)
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研究分担者 |
松井 ふみ子 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 助手
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 老化脳 / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / モノクローナル抗体 / 加齢変化 |
研究概要 |
本研究の目的は、脳に存在するプロテオグリカン(PG)やその多糖側鎖であるグリコサミノグリカン(GAG)が、アルツハイマー病の脳内蓄積物質の形成に、どのような役割を果たしているのかを調べることである。 アルツハイマー脳においては、PG/GAGの構造および組成における加齢変化に異常が起きていることが予想される。そこで、まず、生後1週より2年までのラット脳を用い、正常加齢に伴う脳内GAG組成の変化を調べた。いずれの年齢においても、脳にはコンドロイチン硫酸(CS)、ヘパラン硫酸(HS)、ヒアルロン酸(HA)が存在することが分かった。3者の相対量には、著変はみられなかった。アルツハイマー脳2例と対照脳3例について、GAGの量と組成を調べた。GAGの総量は、アルツハイマー脳でわずかに高い傾向が得られた。ヒト老化脳には、ラットでみられた3つのGAG以外に、微量のデルマタン硫酸が検出される試料があったが、アルツハイマー脳特有の現象ではなかった。また、アルツハイマー脳では、ヘパラン硫酸の総量が減少している傾向が認められた。現在、CSおよびHSの繰返2糖組成を、HPLCにより測定している。 ラット脳における可溶性PG組成の加齢変化を調べたところ、幼若脳の主成分であった220kDaのコア蛋白を持つコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG-220)が成熟脳では消失していること、かわってCSPG-93が増加していることなどがわかった。これらのPG/GAGを認識するモノクローナル抗体の作製を行っているが、対応するヒトの脳のPG/GAGを認識する抗体は有用である。2H6と名づけた抗体は、成獣ラット脳およびヒト対照脳の一部の領域に存在するCSを認識することが明らかとなった。今後、この抗体が認識するCSのアルツハイマー脳における量や存在について調べる予定である。
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