研究課題/領域番号 |
04269210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
東 隆親 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (00028234)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
HTLV-IIIb(HIV)のenvに対するモノクローナル抗体である0.5βをペプシン消化してF(ab')_2を作成した。これと同時に、T細胞レセプターのシグナル伝達を司るCD3に対するモノクローナル抗体のUCHT-1及び、OKT3もそれぞれペプシン消化してF(ab')_2とした。HIVに対するモノクローナル抗体(0.5β)のF(ab')_2を1m MDTTで還元してFab'フラクメントにした。これに10mM DTNBを作用させて露出したSH基をNB化したあとSeph G25でゲルろ過してFab'-NBを得た。 CD3に対するF(ab')_2を0.5mM DTTで30分間処理してFab'-SHに還元し、直ちにFab'-NBと混合して結合反応を起こさせ、ヘテロハイブリッド抗体を作成し、これをBFA(bifunctional antibody)とした。 T細胞培養株であるCEMにHIVを感染させたCEM/HIVと対照のCEMとに ^<51>Crを標識し、BFAで処理した末梢血リンパ球を反応させるとHIVに感染した細胞が特異的に障害されることがわかった。 CEMにCEM/HIVを混合して、HIMの感染が広がる系に、BFAで処理した末梢血リンパ球を添加しておいたところ、3週間後にはフローサイトメトリー法で検出できる感染細胞を消滅させうることがわかった。このとき、細胞内にはHIVの遺伝子を潜伏させた細胞がどの程度残っているのかを調べるために、HIVのenv及びgagの部分の遺伝子のPCRによる増幅反応での検出を試みた。未感染細胞に対してHIV感染細胞の割合が1/(10)以下のときには、PCRで検出できるHIV遺伝子も残っていないことがわかった。 このことから、抗HIV/抗CD3ハイブリッド抗体(BFA)で感作したTリンパ球は、当初期待した以上の治療効果を発揮することが明らかになった。この知見を踏まえ、臨床応用への検討を進めて行きたいと考えている。
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