研究課題/領域番号 |
04269212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
水落 次男 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (90133149)
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研究分担者 |
浜子 二治 藤田保健衛生大学, 短期大学, 助手 (80180933)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エイズ / HIV / 糖鎖構造 / HTLV-IIIB / LAV-1 / 糖蛋白質 |
研究概要 |
HIVウイルス糖蛋白質の糖鎖は、宿主であるヒトの細胞の糖鎖生合成装置を利用して作り出されている。HTLV-IIIBおよびLAV-1をそれぞれMOLT-4細胞に感染させると、そこで増殖したHIVの感染能を同じにすると、HTLV-IIIBでは合胞体形成能がLAV-1の40%まで低下していることが示された。そこで本研究では、同じMOLT-4細胞の糖鎖生合成装置を利用している両ウイルスの糖蛋白質の糖鎖構造を詳細に解析して比較し、合胞体形成能とウイルス糖蛋白質の糖鎖構造との関係を調べた。まず、両ウイルス感染MOLT-4細胞をトリチウム標識したマンノース、ガラクトース、N-アセチルグルコサミンの存在下でそれぞれ培養後、細胞画分、ウイルス粒子画分、培養液画分に分け、各画分からエイズ患者血清とプロテインAセファロースを用いてトリチウム標識ウイルス糖蛋白質をそれぞれ調製した。次に、各ウイルス糖蛋白質中のトリチウム標識糖鎖をヒドラジン分解法を用いて遊離させた後、糖鎖の電荷とサイズをDEAE-HPLCとBio-Gel P-4HPLCを用いて調べた。その結果、両ウイルス間で糖蛋白質の糖鎖パターンの違いが各画分で共通して存在することが示された。そこで、各画分のトリチウム標識ウイルス糖蛋白質糖鎖の構造を、我々が最近開発に成功した一連の微量糖鎖構造解析法を駆使して詳細に解析した。その結果、両ウイルス感染細胞間では高マンノース型糖鎖には顕著な違いは認められなかったが、復合型糖鎖には大きな違いが認められ、LAV-1感染MOLT-4細胞と比較して合胞体形成能の低いHTLV-IIIB感染MOLT-4細胞では高分子量復合型糖鎖の増加と2本鎖復合型糖鎖の減少が明らかとなった。ウイルス糖蛋白資の糖鎖生成を阻害すると合胞体形成能が無くなることを考え合わせると、これらの知見はウイルス糖蛋白質の2本鎖復合型糖鎖が合胞体形成に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。
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