研究課題/領域番号 |
04270203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 えみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20173891)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 光受容膜 / 視覚突然変異 / サブラブドメリックシステルナ / 急速凍結 / 免疫電顕法 / rdgA / rdgB |
研究概要 |
本研究は、多くの無脊椎動物視細胞に存在する特殊な細胞内膜系、サブラブドメリックシステルナ(SRC)の機能をショウジョウバエをモデル系として明らかにしようとするものである。これまでの研究から、SRCがオプシンなどの光受容膜蛋白質の細胞内輸送経路となっていることが明かとなったので、本年度は光受容膜形成におけるSRCの役割を中心に、以下の点について解析した。 1.SRCの形成過程の解析:オスミウム染色法を用いた微細形態学的手法により、形態形成途上の視細胞における細胞内膜系の動態を解析したところ、光受容膜(微絨毛膜)形成の初期にはSRCは存在せず、細胞膜の不規則なinvaginationによって、微絨毛が形作られることがわかった。また、微絨毛の伸長期にもSRCの網工は存在せず、細胞内によく発達した粗面小胞体、ゴルジ装置、および無数の小胞が観察され、小胞輸送が盛んに行われていることがわかった。これらの結果からSRCは形成途上の光受容膜輸送には関与せず、成虫の光受容膜輸送にのみ関与していることがわかった。 2.急速凍結固定法による解析:光受容膜蛋白質の生体内配置を明らかにするため、複眼網膜を急速凍結-ディープエッチレプリカ法で観察したところ、SRC上にオプシン分子と思われる膜内粒子が確認できた。またロドプシン分子が光受容膜内で規則配列していることも明らかとなった。 3.SRC上の機能分子の免疫組織化学法による検索:光受容膜の退化を伴うradgB突熱変異ではSRCの崩壊が光受容膜変性に先立った起こる。このことからradgB遺伝子産物がSRCの形態維持に必須の分子であると考えられた。そこでrdgB蛋白質の細胞内分布を免疫電顕法により調べたところ、SRC上に局在する事がわかった。この物質は、ホスファチジルイノシトール輸送蛋白質であることが示唆されており、SRC上で小胞輸送の調節の関与している可能性が高く、今後突然変異を用いて更に解析を進める予定である。
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