研究課題/領域番号 |
04270204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西郷 薫 東京大学, 理学部, 教授 (50136454)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 神経分化 / 複眼分化 / 遠近軸 / ホメオボックス / ショウジョウバエ / 原基 / 肢 / Bar |
研究概要 |
複眼分化異常変異Barの原因遺伝子として単離された二つのホメオボックス遺伝子BarH1とBarH2の構造及び末梢、中枢神経細胞での特異的発現については、既に報告済みである。これらの実験の結果、BarH1とBarH2は、厳密に共発現され、機能的にも互いにredundantで、ある種のfail-safe機構を構築している興味深いホメオボックス遺伝子対であることが明かになった。この機構を成立させうる遺伝子レベルでの要因を探るために抗BarH1抗体、抗BarH2抗体を用い、BarH1,BarH2間にbreak pointを持つ逆位変異体での両遺伝子発現の変化を調べ、詳細なエンハンサー・マップを作製した。ケイリン器官は、胚における主要な感覚器官であり、それを構成する約20の細胞のうち5つで強くBarH1/BarH2を発現している。このケイリン器官と肢原基との関係及び肢分化におけるBarH1/BarH2の発現・機能を解明するための一連の実験を行った。その結果、1)ケイリン器官のニューロンとグリアが肢原基に取り込まれ、幼虫感覚神経系を形成すること、2)3齢初期にBarH1/BarH2が肢原基の二次元シート上に円環状に発現すること、3)この円環状の発現が、二次元位置情報の三次元位置情報への変換を引き起こす際に必須であること、4)円環の外縁で生じた細胞の切れ込みがやがて、肢状端部のターサルセグメント形成につながり、かつBarH1/BarH2の段階的発現が遠近軸として作用すること、及び5)BarH1/BarH2の濃度差に応じて、ターサルセグメントの境界が形成されることが半明した。現在、円環状発現と、前後軸、背腹軸により形成される直交座標系との関係を検討中である。
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