研究分担者 |
小林 悟 筑波大学, 生物科学系, 講師 (90225508)
姫野 俵太 弘前大学, 理学部, 助教授 (80208785)
遠藤 弥重太 愛媛大学, 工学部, 教授 (40093843)
原田 文夫 金沢大学, がん研究所, 教授 (40124424)
井口 八郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20028195)
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配分額 *注記 |
106,200千円 (直接経費: 106,200千円)
1995年度: 27,400千円 (直接経費: 27,400千円)
1994年度: 28,300千円 (直接経費: 28,300千円)
1993年度: 28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1992年度: 22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
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研究概要 |
当研究班では,(1)各種生物から新しいRNAを検索し,その機能を明らかにすることによりRNA機能の多様性の実体を知ること,及び(2)tRNA,rRNAの機能構造の解明に加えて,それらの翻訳系以外での新しい機能を明らかにすること,を目的とし,以下のように多くの成果を上げた. (1)新しい低分子RNAの検索:マイコプラズマ,大腸菌,枯草菌などの代表的細菌,およびその動物細胞で低分子RNAの検索を行い,すでにかなりの新しいRNA種を単離しその構造を決定した.そのうち特に興味あるものの機能解析を行ってきた.とくに,10SaRNAについては,少なくとも真性細胞では普遍的に存在し,翻訳の切り替え(trans-translation)によって不完全なペプチドにタグを付加合成するmRNAとして働くことが明らかになり,また,10Sa RNAの存在,非存在化で異なった生育を示すts-変異株を解析した結果,このRNAが他にも多様な機能を持つことが示唆された.このほかにも,MCS4RNA,4.5SRNAHなどの新しいRNAを発見し,その生理的意義について研究を進めている. (2)tRNA,rRNAの新しい機能:大腸菌の全tRNAのaminoacy1-tRNAsynthetaseによる認識構造を明らかにし,次に酵母についても同様な解析を行った.これらの結果は,tRNAの進化とtRNA認識,識別の進化や起源を考える上に重要な示唆を与えた.一方,rRNAについても,大腸菌23SrRNAのThiostrepton domain(GTPase center)とToxin domainの解析から,リボソームにおけるGTP加水分解反応において,これらのドメインか相互に緊密なcross talkを起こしながら構造変化をすることが明らかになった.さらに,ショウジョウバエのミトコンドリア大rRNAが極細胞分化に重要な因子の一つであることを明らかにしている.
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