研究課題/領域番号 |
04272210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 壽利 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (00144395)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HTLV-I / Rex / スプライシング / RNAの輸送 |
研究概要 |
ヒト成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)は、Rex蛋白質の存在下でイントロンを持つgagやenvのmRNAを生産する。他方Rex蛋白質が存在しない場合には、完全にスプライシングされてイントロンが除かれたpX mRNAが合成される。このようにRexは、見かけ上スプライシングを制御する。しかし、最近Rexの一義的な作用点として種々の説が提唱されるようになった。即ち、核-細胞質への輸送の制御、スプライシングの制御、翻訳への関与である。 このように複雑な状況を解明する一つの方法は、Rexの作用に関与する細胞側の因子を明らかにすることだと思われる。我々は、Rexと結合する因子がそのキャンディデートであると考え、抗Rexで共沈する分子の検索を試みた。まずそのために種々の抗Rex抗体を作成したが細胞の因子と交差反応し、本目的には使えなかった。そこで、バクテリアの蛋白質であるマルトース結合蛋白質(MBP)とRexとの融合蛋白質を作製し、抗MBP抗体を用いて免疫沈降することを試みた。Rexの後にMBPを連絡した融合蛋白質のみが、野生型Rexと同等の活性を有していた。抗MBP抗体で共沈する分子を検索したところ、標的mRNA存在下でのみRex-MBPと共沈する分子量24KDaの分子を検出した。核内移行シグナル(Tg)を持つMBPや野生型Rexとはこの分子は共沈せず、標的mRNAを介してRexと相互作用していると考えられた。又、核と細胞質における存在比は3:2であった。又、Rexの作用との相関を調べるために、種々の変異Rexを用いて共沈を行った。RNAと結合できない変異株、結合はできるが機能的に欠陥を持つ変異株は共に24KDa蛋白質を共沈できなかった。現在、24KDa蛋白質の同定と、Rexの作用における関与をさらに調べている。
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