研究課題/領域番号 |
04272215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
高久 洋 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50101267)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 自己切断反応 / オリゴボヌクレオチド / 非イオン界面活性剤 / 一価のイオン / 二価のイオン / ヘアピン型RNA |
研究概要 |
RNA酵素には、ハンマーヘッド型リボザイムとまったく異なる二次構造を形成してRNA自身の触媒活性で切断されることもある。その一つに、大腸菌に感染したバクテリオファージT4の大RNA前駆体であるp2SIRNA分子の自己切断部位はヘアピン型構造を形成し、NH^<++>_<4m>と非イオン界面活性剤存在下で切断反応を起こすといわれている。我々は実際にその切断部位近傍のヘアピン型RNA13merと16merといった短いRNAを構築し、その自己切断解析を検討した。 実際にヘアピン型構造を形成すると考えられるRNAを構築し、切断反応を試みたところ、先に報告された切断位置と異なることを見いだした。すなわち、5'GUUUCGUACAAAC3'のUA(133-135)、CA(139-140)の二カ所で切断が起こっていた。そこで、これらの切断活性に要求される反応条件と構造の解析をおこなった。我々のRNA酵素の自己切断はpHの広い範囲(pH4.0〜8.0)で起こっているが、pH5.0の酸性側で高い切断活性を示すことがわかった。また、反応温度は37℃の時が最高の活性を示した。しかし、他のリボザイムと異なり、切断反応は非常に遅く24時間後でも約80%の切断であった。 このような切断反応が遅いことは、構造上の安定性に問題があると考え、NMR、Tmを測定することで構造上の安定性と実際に切断反応の際にヘアピン型構造が形成しているかを検討した。この結果として、Tmは43℃と低く、NMRの結果からD安定なヘアピン構造を形成していないことがわかった。しかし、ステム部位の一部をDNAに変換したRNA酵素はステム部位が不安定になったにもかかわらず、活性が向上するといった先に予想したものと異なる結果が得られた。
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