研究課題/領域番号 |
04272217
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松藤 千弥 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50192753)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | アンチザイム / オルニチン脱炭酸酵素 / ポリアミン / 翻訳フレームシフト / ステムループ構造 / シュードノット構造 / 翻訳調節 / 試験官内翻訳系 |
研究概要 |
1.フレームシフト効率の直接測定:アンチザイムcDNAのオープンリーディングフレーム(PRF)を他の数種の遺伝子の下流に連結したキメラ遺伝子を作成し、網状赤血球溶血液における翻訳を調べた。これらの系ではフレームシフト産物と非シフト産物が同時に検出可能でありシフト効率の測定に有用である。ポリアミン非添加時のシフト産物の割合は溶血液標品により3-10%であり、この割合は0.4-0.6mMスペルミジン添加により5倍以上増大したが、野生型mRNA翻訳に対する至適濃度(0.8mM)のスペルミジンを添加した場合、全体の翻訳(おそらく開始)が強く抑制された。 2.フレームシフトに必要なシークエンスの同定:アンチザイムmRNAのフレームシフト部位は、ORF1の終止コドンに先だつ2コドンの範囲にあることを欠失変異体を用いて明らかにした。一方PRF1終止コドンの下流約60塩基の範囲にステムループまたはシュードノット構造をとり得る領域がある。キメラmRNAを用いて当該領域の必要性を検討したところ、シュードノット構造の直後以降を欠失させたmRNAは全コード領域を含むものと同程度のシフト効率を示し、シュードノットの第2システムの3'側へミステムまでを欠失させてもやや低い効率ながらなおシフトが認められた。したがって下流ののシューノット構造はフレームシフトそのものには必要ではないと結論される。しかし同構造がポリアミンによるフレームシフトの促進に関与する可能性は残っており、検討を要する。 3.比較生物学的検討:アフリカツメガエルのアンチザイムmRNAの部分塩基配列を決定した。すでに決定したラットおよびヒトアンチザイムmRNAの一次構造と比較すると、フレームシフト部位から下流の高次構造領域は高度に保存されており、その重要性が示唆された。
|