研究課題/領域番号 |
04273201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
土岐 精一 北海道大学, 理学部, 助手 (80212067)
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研究分担者 |
谷藤 茂行 北海道大学, 理学部, 教授 (50000774)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | C_4型植物 / C_3型植物 / PEPカルボキシラーゼ / トランスフォーメーション / 光合成 / トウモロコシ / タバコ |
研究概要 |
カリフラワーモザイクウィルス(CaMV)35Sプロモーターの制御下にトウモロコシ由来のC_4型PEPC遺伝子cDNAが発現するように構築したキメラ遺伝子を作製した。これをアグロバクテリウムを介したリーフディスク法によりタバコに導入し、形質転換タバコを5系統育成した。これらの植物体を用いて以下の解析を行なった。(1)ノーザン法による転写産物の確認:C_4型PEPCのコーディング部分をプローブとした解析により、形質転換植物において外来遺伝子由来の転写産物が確認された。(2)後代への遺伝:形質転換植物の後代の解析により導入遺伝子が安定に遺伝していることが確認された。(3)PEPCの発現量及び酵素活性:抗C_4型PEPC抗体を用いたウエスタンブロッティングの結果、形質転換体におけるPEPCの発現量は非形質転換体の約2倍に上昇していた。また酵素活性は1.5倍から2倍に上昇し、反応速度論的解析からも基質であるPEP(ホスホエノールピルビン酸)に対するκmの低いタバコPEPC由来(内生)の活性とκmの高いトウモロコシPEPC由来(外生)の活性が見いだされた。(4)生理学的特徴:形質転換植物と非形質転換植物を種々の温度、二酸化炭素濃度条件下で育てたところ、いずれの条件下においても形質転換体の方が生育速度が遅かった。またクロロフィル含量も形質転換体において低下していた。(5)光合成特性:単位面積当たりの光合成速度、光補償点、光飽和点、二酸化炭素補償点に関しては、形質転換体と非形質転換体の間で顕著な差異は見いだされなかった。しかしながら、光合成における光量子収率の葉温の上昇に伴う低下が、形質転換体において緩和される傾向が示された。 上記の結果より、トランスジェニック植物においては活性のある外生のC_4型PEPCが発現している事、またこれによって光合成特性も変化している事が示唆された。
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