研究課題/領域番号 |
04301026
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 重雄 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (30006902)
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研究分担者 |
加藤 哲文 土浦短期大学, 保育科, 助教授 (90224518)
今野 義孝 文教大学, 教育学部, 助教授 (70092517)
遠藤 眞 東京外国語大学, 保健管理センター, 助教授 (70015444)
杉山 雅彦 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (90149493)
山本 淳一 明星大学, 人文学部, 講師 (60202389)
TSUKAGOSHI Masayuki University of Tsukuba, School Education Center, Assistant Professor (70134179)
大野 裕史 埼玉短期大学, 一般教育科, 講師 (30194252)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 重度障害児 / 発達障害 / コミュニケーション行動 / 指導技法 / 統合化 / 行動療法 / 動作法 |
研究概要 |
平成4年度は、代表研究者と分担研究者との2回の会議によって、研究目的の確認と研究方法及び分析手続きの検討を行った。重度の発達障害幼児に効果的と確認されている指導技法のうち、動作法から2つと行動療法から2つを抽出した。そして、それぞれの指導技法が重度障害児のコミュニケーション行動を形成するためにどのように寄与するか具体的に検討することを目的とした。そして、その目的のためにマクロ的な視点と、ミクロ的な視点から分析を行うこととした。マクロ的には、新たに作成した共通の評価チェックリストにより、ミクロ的には各技法特有の評価方法により記録した。以上の確認の上に、記録・分析装置を各研究者に分配した後、各技法1から2名の就学前重度発達障害児に指導を開始した。 平成5年度は、前年度からの発達障害児への指導を継続するとともに、分析作業を開始した。その結果、(1)伝統的行動変容法では、無発語に自閉症児に対して要求言語と報告言語行動の指導を行い、機能的コミュニケーション・スキルの形成が図られた。(2)フリーオペラント法では、2名の自閉症児に指導を適用し言語スキルの自発的使用と対人関係の促進が図られた。(3)動作対話法では、1名の言語遅滞児に指導を行った結果、対人・対物への自発的な働きかけが出現し、遊びの変化が観察された。(4)動作法では、1名の自閉症児に10カ月間適用した結果、運動や探索行動をはじめ全体的な発達の改善がみられた。 以上の経過をもとに、重度障害児のコミュニケーション行動を指導するための指導技法の統合化に関する報告書の作成を行った。各分担者が技法の概要と症例報告を行い、代表研究者がそれをまとめ技法の統合化への可能性を指摘した。日本においては、各技法が共通の評価尺度を用いて統合化への可能性を模索したものは初めての試みである。今後、効果的で効率的な指導方法の開発に向けて大きな礎になると思われる。
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