研究課題/領域番号 |
04301050
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
白石 太一郎 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (60150017)
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研究分担者 |
杉山 晋作 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助教授 (30150022)
春成 秀樹 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 教授 (20032708)
西谷 正 九州大学, 文学部, 教授 (20037005)
岩崎 卓也 家政学院大学, 人文学部, 教授 (30015383)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
早乙女 雅博 東京国立博物館, 学芸部東洋課, 研究員 (80150035)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 伽耶 / 須恵器 / 陶質土器 / 古墳 / 馬具 / 短甲 / 甲胄 |
研究概要 |
近年、朝鮮半島のなかでも特に古墳時代において日本との関係が深かった伽耶地域における古墳の調査研究の進展は著しく、日本の古墳出土遺物と共通ないし類似する遺物が数多く検出されている。本研究はこうした最近の韓国における調査・研究の進展を踏まえて、伽耶の古墳出土資料と日本の古墳の出土品を比較・検討することによって両者の交流関係の実態を追求しようとしたものである。第1年度(平成4年度)は、日本の古墳出土遺物のなかでも馬具、甲冑、装身具、須恵器など伽耶と共通性の大きい遺物について、形態、製作技法、系譜・影響関係、編年などを研究メンバーがそれぞれ分担して検討を進め、また初期須恵器や日本出土の陶質土器などについては共同で資料の検討を行い、相互に討論する機会をもった。第2年度(平成5年度)はとりまとめの年度にあたるので、前年度の調査結果を各自が検討し、その成果をとりまとめた。それらの成果の一部は研究成果報告書に報告し、さらに総合的な検討を加え、国立歴史民俗博物館研究報告などに報告するが、日本における須恵器の生産開始が、伽耶でもとくに洛東江中流域の陶質土器製作工人の渡来によって5世紀初頭ないし前半に始まったこと、日本の初期の馬具の多くが直接的には伽耶からもたらされた可能性が大きいことなど、4〜5世紀の日本における先進文物や新しい技術の受容に際して伽耶がはたした役割が予想以上に大きかったことを明らかにすることができた。その歴史的な背景や意味付けについては、考古学だけではなく文献史学との協業によって総合的に検討しなければ重要な課題であろう。なお、今後の日本における古墳研究には、伽耶など朝鮮半島との関係の検討が不可欠と考えられるが、日本の古墳研究者の利用に供するため、伽耶関係の考古学および文献史学の研究文献目録を作製し、研究成果報告書に収録した。
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