研究分担者 |
兵藤 友博 横浜国立大学, 非常勤講師
雀部 晶 立命館大学, 経営学部, 助教授 (00100933)
奥山 修平 立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (80257815)
山崎 正勝 東京工業大学, 工学部, 教授 (20106959)
大沼 正則 東京経済大学, 経済学部, 教授 (90096389)
徳元 琴代 川村学園女子大学, 非常勤講師
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研究概要 |
本研究の目的は,アメリカ技術史の結節点である両大戦間期に着目して,この時期のアメリカ技術の中核的分野である,機械,化学,電気,軍事生産などに関する調査・研究をおこない,アメリカ技術の特質を総合的に分析することであった。しかし,実際にはそれぞれの分野の基礎史料の収集を達したのみで,それらの個別分野の分析,ならびに総合的分析は,今後の課題として残された。 とはいえ,化学技術の分野では,アメリカにおける石油化学工業の成立と発展についての概観がなされるし,また電力・通信技術の分野では第二次世界大戦中のレーダー開発の概観がなされる。これらは,今後の研究課題を設定するうえで多いに役立つものと考えられる。 とりわけ本研究で注目されるべきは,アメリカの第二次世界大戦中の軍事的研究開発に占めるOffice of Scientific Research and Development(OSRD)の位置を明確にした調査・研究であろう。そこでは,アメリカ上院軍事委員会への戦争動員小委員会報告書(1944年)とOSRD解散にあたっての事業報告書(1946-48年)が分析され,第二次世界大戦後のアメリカの科学技術政策との関連が明確にされる。またOSRDが経費の点で,戦時下の軍事的研究開発において,陸軍や海軍と並ぶ位置を占めていることを明確にしる。その内容は基礎的研究開発部門が多いと判断され,特に大学の研究者を動員する有効な手段となったことが明確となった。 こうしたアメリカの科学技術政策史と比較・対照して日本の科学技術政策史を概観することもなされる。時期的異なることもあり,相互の比較検討は今後の課題として残される。
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