研究課題/領域番号 |
04302015
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 圭二 大阪大学, 理学部, 教授 (10011545)
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研究分担者 |
菅本 晶夫 お茶の水大学, 理学部, 教授 (70132686)
益川 敏英 京都大学, 理学部, 教授 (60022612)
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 教授 (10091521)
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 教授 (80108448)
江口 徹 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20151970)
静谷 謙一 京都大学, 基礎物理学研, 教授 (50154216)
牟田 泰三 広島大学, 理学部, 教授 (80025353)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 量子重力 / 普遍弦理論 / ゲージ理論の誘導 / 共形場の理論 / XXZ-スピン模型 / 微生物の遊泳 / ループ相関関数 / ホーキング境界条件 / 弦(紐)理論 / 行列理論 / ブラックホール / 2次元量子重力 / 3次元量子宇宙 / プランク質量 / Berry位相 / 対称性の生成 / 2次元ブラックホール / イプシロン展開法 / ゲージ対称性の誘発 / 共形場理論 / 量子ホール効果 / エニオン理論 / Ashteker形成 |
研究概要 |
本研究活動の研究成果は以下のようにまとめられる。 (1)量子重力理論はくりこみ不可能の為、摂動的な解析が許されない。この困難を回避し其の動力学的な解析をするためにいくつかの簡略化された模型が考察された。其の一つは、2又は3次元の重力理論である。低次元では重力子の自由度が存在しないので発散の困難が回避される。特に2次元理論では弦理論と等価なため、行列模型や繰りこみ群の方法でトポロジーの足し上げが実行された。特筆すべきは、行列模型を用いての1ループ及び2ループ相関関数が計算された事である。1ループ解はHawkingの無境界条件を満たす量子宇宙の解に相当する。また、ある種の低次元理論に於いてはBlack hole解が存在し、其の量子力学的な性質が詳しく考察された。また一方では、局所的な自由度がすべて非物理的になるような位相場の理論も多くの注目を引いた。とくに、2次元の位相的共形場は、上述のトポロジーの足し上げに幾何学的な描像を与え、相補的な定式化を与えてくれた。また弦理論に於いては、非臨界弦の場の理論や種々の2次元的対称性に基づいた弦理論を、一つの「普遍的な理論」の様々な解として統一的に記述する「普遍弦理論」の試みもなされた。 (2)上記のアプローチとは逆に高次元から4次元理論に迫る方法もある。本研究では6次元の時空におけるU(1)ゲージ理論から出発して、4次元時空に多様なゲージ対称性を持つ理論を誘導する事が可能である事を示した。これは、一種のBerry位相効果として理解出来る。具体的には6次元中の2次元が種数gのRiemann面の特別な型にコンパクト化された場合は、g個のU(1)群の直積群の対称性を持つゲージ場が誘発される。一般には非アーベル群ゲージ場の誘発も可能で、其の為の条件が求められた。 (3)弦や共形場理論において開発された数学的手法を、統計力学系やその他の問題の解析に応用した。XXZ-スピン模型の解析、共形場の理論と膜の理論が微生物の遊泳の力学の解析に応用された事などは大きな成果であった。XXZ-スピン模型の引力型の場合は今まで解析があったが、斥力の場合が詳しくしらべられでこの模型の解析はほぼ完了した事になる。
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