研究分担者 |
花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (00134015)
浅枝 隆 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40134332)
磯部 雅彦 東京大学, 工学部, 教授 (20114374)
三村 信男 茨城大学, 工学部, 助教授 (60133089)
柳 哲雄 愛媛大学, 工学部, 教授 (70036490)
佐藤 愼司 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90170753)
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 助教授 (60151429)
都司 嘉宜 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
まず日本周辺で、1984〜1990年の記録が得られている6カ所の検潮所における平均海面水位変動を調べた。その結果、日本東岸では平均海面水位は1〜2mm/yearで下降していることがわかった。本研究の結果とIPCCの予測結果をもとに2030年の日本周辺の海面上昇分布予測図を描いた。次に東アジアの16カ所の1950〜1991年の検潮データに関して同様な処理を行い、2030年の東アジアの海面上昇分布予測図を描いた。 東南アジアの熱帯・亜熱帯地域について,海岸の形態,利用状況,被災事例を調査した.東南アジア諸国の海岸に関する基礎的な資料の概要をまとめ,特に日本で比較的容易に資料が入手できるマレーシアについては,従来の保全対策の問題点を抽出した.その結果,半島西部のシルト質海岸では,背後に人工集中地域をひかえており,海岸侵食が重大な問題となっいること,保全対策としてよく用いられる蛇篭や木材は耐久性やその効果に問題があることなどが明らかになった.これらの諸国に対する海面上昇の影響評価については,アジア開発銀行による報告書がまとめられ,今後各国政府による具体的な対策例の検討へと進む段階にあり,本研究で抽出した問題点に留意して対策を検討する必要がある. アジアの海岸線・沿岸部についての自然条件社会条件についての理解を深めるために,IPCC東半球ワークショップへの参加,タイ国を始めとした海岸研究者との討議等を行った.また,自然・社会条件が異なる場合に,とられる対応策は当然異なると思われるため,嵩上げ以外の土木技術的各種の対応策についても整理を試みた.太平洋島しょ国やアジアの沿岸においては人口圧力が大きく,これが沿岸部の災害に対する脆弱性を増幅している傾向がうかがえた.土木技術的な対応策も,沿岸の総合的な管理計画の許での適切な組み合わせが配慮されることが望ましいと思われる. 感潮部における水質への海面上昇及び温暖化の影響をモデルにより評価した.3^0C程度の温度上昇があった場合,微生物反応の速度に与える影響に比べ,飽和溶存酸素濃度が低下する効果の方が大きかった.海面上昇による感潮域の水理学的構造変化をモデルで評価した結果,海面上昇によってBODと溶存酸素の流れ方向の分布が変化することが分かった.全体に,生物反応に与える変化よりは物理学的,水理学的影響の方が大きいことが分かった.
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