研究課題/領域番号 |
04304002
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安部 琢哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (00045030)
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研究分担者 |
中村 和夫 宇都宮大学, 教養部, 教授 (70005619)
東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183917)
山村 則男 (山村 則雄) 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70124815)
小野寺 良次 (小野寺 〓次) 宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)
山岡 郁雄 山口大学, 理学部, 教授 (30034705)
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助手 (50235892)
角田 邦夫 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (30127104)
松本 忠夫 東京大学, 教養学部, 教授 (90106609)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | バイオ・リサイクル / シロアリ / ルーメン動物 / C / Nバランス / 消化共生 / メタンバクテリア / 空中窒素固定バクテリア / メタン細菌 / バイオリサイクル / 空中窒素固定細菌 |
研究概要 |
動植物や微生物の遺体・排出物が微生物や動物の働きによって、植物が再び利用できる無機塩類にまで分解・循環される過程がバイオ・リサイクルである。本研究では、植物遺体に大量に含まれるセルロースの分解過程を、3つのバイオリサイクル系(シロアリ-微生物共生系、草食哺乳類-微生物共生系、土壌生態系)において、その炭素/窒素(C/ン)バランス問題の解決法に注目しながら解明することを試みた。 1.バイオリサイクルにおけるセルロース分解:シロアリ共生系におけるセルロースとヘミセルロースの分解過程とそのバリエーションを明らかにし、ルーメン共生系と比べた。下等シロアリは唾液腺と中腸からセルロース(ヘミセルロース)の分解酵素を出して中腸でグルコースに分解すると同時に、後腸では原生動物がこれらの分解に大きく関わった。共生原生動物を持たない高等シロアリは、食材性のものは唾液腺と中腸からセルラーゼを出すが、土を食べるものでは自分でセルラーゼを出さなかった。ルーメン共生系では原生動物、バクテリアだけでなく、真菌も関与していた。 2.バイオリサイクルにおけるC/Nバランス問題:この問題の理論的枠組みを明確にし、シロアリにおけるその解決法(共生バクテリアによる空中窒素固定、メタンの放出)を検証した。窒素含量の乏しい材を食べる下等シロアリでは体の窒素の30-50%以上も空気窒素に依存するが、窒素含量の多いものを食べるシロアリではその依存度が低いことを示した。メタン放出量は種、カーストにより違っていた。 3.森林土壌系とシロアリ共生系の比較から、植物遺体の分解過程における菌類の役割、とくにリグニン分解におけるその重要さを浮き彫りにした。
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