研究課題/領域番号 |
04304007
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
末光 隆志 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40092019)
佐藤 矩行 京都大学, 理学部, 教授 (30025481)
安部 真一 熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)
山上 健次郎 上智大学, 理工学部, 教授 (50011474)
片桐 千明 北海道大学, 理学研究科, 教授 (90000827)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 動物発生 / 遺伝子 / 両生類 / メダカ / ホヤ / ウニ / プラナリア / アルテミア / 発生 / 遺伝子クローニング / 遺伝子発現調節 / 分化マーカー / 多様性 |
研究概要 |
本総合研究は、さまざまな動物胚について遺伝子発現調節機構を研究することによって動物発生における遺伝子発現調節パターンの多様性および共通性を明らかにし、発生の多様性の理解に資することをめざして企画された。本研究で扱った動物種は両生類(ウシガエル、アフリカツメガエルおよびアカハライモリ)、魚類(メダカ)、原索動物(マボヤと群体ボヤ)、棘皮動物(バフンウニとムラサキウニ)、甲殻類(アルテミア)および扁形動物(プラナリア)の多種にわたった。発生現象としては、両性類の精子形成(安部と片桐)、受精(片桐)および変態(河原と吉里)、メダカ胚の孵化(山上)、単体ボヤの初期発生(佐藤と西駕)、群体ボヤの出芽(藤原)、ウニの初期発生(嶋田と末光)、アルテミア幼虫の休眠(南部)、プラナリアの発生(阿形)を研究の対象とした。3年間に亘る本研究の成果を以下に要約する。 イモリの精子形成については適当な分化マーカー遺伝子が得られなかったが、ツメガエルの精子形成については精子核に特異的に発現する塩基性蛋白質SP5の遺伝子がクローン化されその発現パターンが調べられた。SP5遺伝子は発現特異性が極めて高いので精子形成過程の遺伝子制御を研究する上でよいマーカーになろう。カエルオタマジャクシの肝実質細胞および皮膚から変態期に発現する遺伝子がクローン化されその発現パターンが明らかになった。このうちウシガエルオタマジャクシ皮膚のコラゲナーゼ遺伝子については転写調節に関わるシスエレメントが検索され、甲状腺ホルモン結合部位があることがわかった。メダカ孵化酵素遺伝子がクローン化され、発現パターンがインシツハイブリダイゼーションで詳細に調べられ、形態形成にともなって孵化腺細胞が胚内で移動するパターンが明らかにされた。ウニ胚アリールスルファターゼ遺伝子の発生時期特異的発現に関するシスエレメントとエンハンサーがわかり、また原腸形成に関わる外腸胚誘導ペプチド遺伝子もクローン化された。転写調節機構に関してはアリールスルファターゼ遺伝子が最も進展した。ホヤ胚筋アクチン遺伝子数種がクローン化され、その筋組織特異的発現に関わるシスエレメントが同定された。群体ボヤの出芽時に発現するC型レクチン遺伝子がクローン化された。プラナリアではPouドメイン遺伝子がクローン化され、再生期における発現パターンが研究された。アルテミア幼生の休眠に関わるトレハラーゼについては遺伝子クローン化の準備が整ったところである。 本総合研究では発生の遺伝子制御の多様性に関して結論らしいものが得られなかったが、本研究によってこの方面の研究を進める基盤はできたと考える。
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