研究課題/領域番号 |
04304039
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
白木 和夫 鳥取大学, 医学部, 教授 (60010229)
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研究分担者 |
日野 茂男 鳥取大学, 医学部, 教授 (70012763)
吉澤 浩司 広島大学, 医学部, 教授 (30109954)
黒木 哲夫 大阪市立大学, 医学部附属病院, 助教授 (30047328)
森島 恒雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (90157892)
松井 陽 自治医科大学, 助教授 (00159146)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | C型肝炎 / 母子感染 / HCV / HCV-RNA / 垂直感染 / 母乳 / HCV-亜型 / HCV抗体 / HCV亜型 / C型肝炎ウイルス |
研究概要 |
(研究目的)C型肝炎ウイルス(HCV)感染の多くは輸血によるが、他の感染経路については未だ完全に明らかでない。特にHCVの母子感染については、頻度、要因、臨床経過など未だ全く不明である。本研究では多施設の前方視的共同研究により、これらの解明を目標とした。 (研究成果)各施設で妊婦のHCV抗体を検査し、陽性妊婦の出生児を調査対象とした。HCV抗体陽性妊婦についてはHCV-RNA(PCR法)、各種肝機能検査のほか、HCV-RNA量、genotypeの検査を行った。各研究施設における妊婦の第2世代HCV抗体陽性率は1%前後であったが、施設により0.4%から1.5%と差が認められた。HCV抗体陽性妊婦のHCV-RNA陽性率は71%〜76%であった。 HCV-RNA陽性妊婦からの出生児のうち、持続感染となる率は平均では3.4%であったが、各施設別にみると1%から12.5%にわたり10倍以上の差がみられた。これは妊婦側の要因に偏りがあるためと考えられた。このほか生後6か月以内に一過性感染と考えられる症例がみられた。 HCV母子感染を起こす要因を検討したところ以下のごとくであった。 1)血清中HCV-RNA量の多い妊婦からの出生児に感染例が多かった。 2)妊婦のHCV genotypeによる母子感染率の差は明らかでなかった。 3)児に感染を起こした妊婦の多くは明らかな肝機能障害を伴っていた。 4)母乳栄養とHCV感染との間には、明確な関係が認められなかった。 持続感染となった児の多くは肝障害を伴い、組織学的に慢性肝炎が認められた症例もあるが、概して肝機能異常は軽度で、その長期予後に関しては更に追跡調査が必要と考えられる。 本研究の結果、HCV母子感染の凡その頻度、その要因の一部が明らかにされたが、母子感染の要因の全面的解明、ならびに感染児の臨床経過・予後を明確にするためには、更に継続した研究が必要と考えられる。
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