研究課題/領域番号 |
04304048
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 (1993) 東京大学 (1992) |
研究代表者 |
宇井 理生 理化学研究所, 宇井特別研究室, 特別招聘研究員 (50001037)
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研究分担者 |
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
堅田 利明 東京大学, 薬学部, 教授 (10088859)
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
木村 成道 (都)老人総合研究所, 分子生物学, 室長 (60073029)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
36,000千円 (直接経費: 36,000千円)
1993年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1992年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 3量体G蛋白質 / G蛋白質共役型受容体 / 百日咳毒素 / 受容体キナーゼ / PI-3-キナーゼ / NDPキナーゼ / ワ-トマニン / 蛋白質チロシンリン酸化 / NOPキナーゼ / ワートマニン / 細胞分化 / ホスホリパーゼC / ホスホリパーゼD / ADPボシル化 / レチノイン酸 / ビタミンD_3 |
研究概要 |
宇井は、従来3量体G蛋白質が介在しないとされていた蛋白質チロシン残基リン酸化系で中心的役割を果すPI-3-キナーゼがG蛋白質を介して活性化されることを証明した。この証明は、好中球でG刺激に対する活性酸素生成応答を特異的に抑える糸状菌産生物ワ-トマニンの作用点としてPI-3-キナーゼを同定したことによる。新しいG蛋白質プローブの誕生である。既に確立したG蛋白質プローブである百日咳毒素を用いて、堅田はレチノイン酸が誘導する因子がG蛋白質を介してHL60細胞を分化することを見出した。シナプス可塑性の本体である神経細胞の分化に関してもG蛋白質の介在は野村によってPC12細胞において証明された。受容体、G蛋白質、効果器3者の共役のメカニズムについては、ホスホリパーゼCとDの活性化に関しては野沢が、また逆にホスホリパーゼCの抑制という珍らしい現象については中畑が、さらに、アデノシン受容体を介するホスホリパーゼA2活性化系については岡島が、それぞれ細胞レベルで詳細に検討し、多くの新知見を得た。分子レベルの検討のため、市川はプロスタグランジンEの3種のサブタイプをすべてクローニングし、そのアミノ酸配列を明らかにし、それぞれに共役するG蛋白質と効果器系を同定した。芳賀はこの種の受容体とG蛋白質との共役を生理的に修飾する受容体キナーゼを精製し、リコンビナントのムスカリン受容体を基質として、このキナーゼが共役するG蛋白質のβγサブユニットによって活性化されるというユニークな知見を得た。このβγ複合体のイソ体の発見とその精製、cDNAクローニング、機能的差異の検討は浅野によって行われた。G蛋白質の活性化に関与するNDPキナーゼに関する木村の詳細な研究とともに、受容体〜G蛋白質〜効果器の機能調節の分子機構の解明に、本研究班は顕著な貢献をしたものと評価されよう。
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