研究課題/領域番号 |
04304056
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
佐藤 弘毅 放射線医学総合研究所, 障害基礎研究部, 部長 (60029775)
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研究分担者 |
高木 信夫 北海道大学大学院, 地球環境科学研究科, 教授 (20001852)
嶋 昭紘 東京大学, 理学部, 教授 (60011590)
瀬野 悍二 国立遺伝学研究所, 変異遺伝研究部門, 教授 (30076989)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
安井 明 東北大学加齢医学研究所, 神経機能情報研究分野, 教授 (60191110)
田ノ岡 宏 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 部長 (90076969)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | DNA鎖切断 / 光回復酵素 / 除去修復 / 紫外線皮膚癌 / 生殖細胞突然変異 / X染色体不活性化 / しきい値様反応 / 制限酵素断片長多型 / しきい線量 / クローナリティ / DNA二本鎖切断修復 / 除去修復遺伝子 / 紫外線損傷 / ユビキチン活性化酵素 / 閾値様反応 / 胸腺腫 |
研究概要 |
哺乳類の培養細胞から分離した電離放射線感受性変異株はDNA二本鎖切断の修復能を欠損していることを明らかにした。この感受性を抵抗性にする遺伝子はヒト第5染色体に存在することを示した。藍藻、昆虫、魚、有袋類の光回復酵素遺伝子の単離に成功し、塩基配列を決定した。マウスの紫外線感受性変異株の欠損を補うヒト遺伝子ERCC5を単離し、塩基配列を決定した。この遺伝子は除去修復に関与し、ヒト色素性乾皮症G群の遺伝子であることを明らかにした。実験動物を用いた紫外線皮膚発がん系を確立して、免疫細胞の発癌への関与を調べ、低線量照射による皮膚癌はナチュラルキラー細胞によって抑制されることを示した。またマウスの皮膚における紫外線損傷は線量依存性に増加することと、それらの損傷は24時間以内に皮膚から消失することを単クロン抗体を用いて明らかにした。許容温度では正常に細胞周期を回り、制限温度でG2期に停止するユビキチン活性化酵素の温度感受性変異株では、制限温度に保温すると染色体の部分的細粉化が起こることを発見した。メダカの生植細胞突然変異を調べて、自然生存突然変異率はマウスと同じであり、また放射線誘発突然変異率は分化・成熟段階によって大きく変化することを示した。マウスのXXY胚で過剰Xが父親由来の場合には胚は正常に発生するが、母親由来の場合には発生異常を認め、その理由は母親由来X染色体の不活性化に起因することを証明した。ベータ線週3回反復照射によるマウス皮膚癌発生は1回線量0.5Gyでは生涯に亘って発癌は見られなかった。すなわち、しきい値様反応が観察された。放射線誘発胸腺リンパ腫には単一細胞由来のものが多く、それらはそれぞれのクローンに対応した染色体異常を伴っていた。急性白血病、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血などの女性について、制限酵素断片長多型を利用して単クローン性と多クローン性に分類することに成功し、この方法は異常クローン検出に応用できることを示した。
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