研究課題/領域番号 |
04306014
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
|
研究分担者 |
大倉 敬宏 京都大学, 総合人間学部, 助手 (40233077)
片尾 浩 京都大学, 防災研待所, 助手 (80221878)
大志万 直人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70185255)
伊藤 潔 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80022721)
松村 一男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70027283)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
キーワード | 群発地震 / 西表島 / 琉球弧 / マグマ起源 / 明和の大津波 / 臨時地震観測 / 地磁気観測 / ハイドロフォン |
研究概要 |
南西諸島西端部西表島に、1991年1月に群発地震が発生した。群発地震そのものは大きなものではなかったが、この付近に1771年に起きた明和の大津波が再来するのではないかと、地元住民に恐れられ、大きな社会問題となった。この時の地震活動は、ほぼ3カ月で終息したが、1992年8月に再び群発地震が起り、住民に不安を与えると共に、その発生のメカニズムが注目され始めた。当研究は、1992年に再び始まった群発地震の観測調査を主な目的として、4つの大学の共同研究の形をとり始められた。 臨時地震観測は、3グループによって行われた。京大防災研は海底地震計を含む6点での観測を行い、東大地震研は短期間に無線を用いた観測を行った。鹿児島大グループは陸上観測点と共に、船上からハイドロフォン観測を行い、位置をGPSを用いて決定し、海洋下震源の新しい方法を提案した。震源は、ほぼ北西一南東方向に並び、南西方向に傾斜する面状の分布を示した。今回の分布は、1991年の震源を取り囲むように広がっており、群発地震を拡散現象と考える見方を支持している。最近の解析では、これらの分布は更に微細な形をとることがわかり今後の結果が注目されている。精密水準測量の結果から、震源域を境いに東西で4cmのくい違いが見つかり、群発地震が正断層性のものではないかと考えられている。 西表島群発地震のメカニズムを示す決定的証拠は得られていないが、島内における全磁力観測から、数カ月にわたり減少していることが明らかになり、マグマ活動との関連が議論されている。地球化学的研究からは、付近の温泉は、マントル中のマグマ起源の可能性が高いと指摘されており、群発地震との関連が注目される。
|