研究課題/領域番号 |
04354030
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
花岡 文雄 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 主任研究員 (50012670)
関 周司 岡山大学, 医学部, 教授 (50032884)
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
内海 博司 京都大学, 原子炉尚実験所, 教授 (20025646)
安井 明 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (60191110)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | DNA修復 / 遺伝情報維持 / 色素性乾皮症 / 遺伝子発現制御 / 遺伝子ターゲッティング |
研究概要 |
遺伝情報維持の分子機構を解明する目的で、以下の3つに分類される研究計画を立案し、研究打ち合わせ会議を開催し討議した。1)DNA修復遺伝子の単離、DNA修復蛋白の精製、inritroでの修復系の再構成等により、DNA修復酵素の構造と機能を解析する。2)遺伝情報維持の制御機構を解析する。3)DNA修復欠損あるいは亢進したマウスを作成し、遺伝情報維持機構の個体形成への役割について解析する。本年度の成果としては、色素性乾皮症(XP)A群蛋白が、柴外線照射による損傷をうけたDNAに特異性をもって結合すること、ヒトDNA除去修復遺伝子であるERCC5をクローニングし、それがXPG群の原因遺伝子であることを明らかにした。O^6メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼのマウスおよびヒトゲノム遺伝子をクローニングし、純の構造を明らかにした。ショウバエからは、(6-4)光産物のみを認識する光回復酵素を精製し、脊椎物動(魚類)から始めて光回復酵素の遺伝子をクローニングした。SV4Oウイルスのミニ染色体に紫外線を照射したものを鋳型として、ヒト正常細胞の抽出液を用いた無細胞DNA修復系を確立した。全ての相補性群XP細胞はこの系で低いDNA修復合成活性しか示さなかった。マウスPCNAおよびDNAポリメラーゼβ遺伝子の転写制御に関わるシスエレメントを決定した。また、P53はPCNA遺伝子を抑制するが、DNAポリメラーゼβ遺伝子は抑制しないことも明らかにした。以上の成果により、高等真核生物のDNA修復機構の分子レベルでの解析が進展した。一方、遺伝子ターゲッティング法により、A群XP遺伝子を欠損したマウスを樹立した。このホモ接合体マウス由来の細胞は、A群XP細胞と同程度に紫外線に高感受性を示し、DNA除去修復能も欠損していた。このマウスはXPのモデルによる可能性が高く、DNA修復機構の個体形成への役割が解析できる。
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