研究課題/領域番号 |
04402004
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 英行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)
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研究分担者 |
鈴木 徹 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20175409)
岡村 弘之 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (10221144)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1992年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | スピン反転確率 / テンソル偏極度計 / 荷電スカラー巨大共鳴 / 二重巨大共鳴 / スピン集団運動 / 偏極移行 / 電荷スカラー巨大共鳴 / 荷電スカー巨大共鳴 / マルチワイヤードリフトチェンバー |
研究概要 |
固有スピンが1である重陽子による原子核散乱では、散乱前後で重陽子スピンの反転(△s_y=2)が可能である。この一重(S_1)および二重(S_2)スピン反転確率を測定することにより、荷電スカラー・スピン巨大共鳴の探索や、有効相互作用(核力)のなかで最も研究が遅れている荷電スカラー・スピン力(V_σ)についての知見を得るのが目的である。 重陽子のスピン反転確率は、偏極ビームを使った二回散乱法により測定できる、ヴェクトルおよびテンソル偏極移行量から求める。しかしながら、実験的にはテンソル偏極を測定するのはとりわけ難しく、測定されたことはなかった。我々は、磁気スペクトロメータの焦点面に、ヴェクトルおよびテンソル偏極度を同時に測定できる重陽子偏極度計(DPOL)を世界で最初に設計・製作した。 偏極度の分析に適した反応やその偏極分析能など基本的な偏極量をすべて我々の手で測定した。そして、その結果に基づいてDPOLに改良を加え、実効偏極分析能の実験的較正を行った。加速器の運転日程の都合などから、期待した日程で実験をすることができず、当初の予想に反して最終測定まで長い時間を要した。そしてその結果、研究成果報告書の作成も遅れることになった。 この様にいくつかの障害はあったが、DPOLを用いた最初のスピン反転確率の測定は、^<12>Cを標的とし、E_d=270MeVの偏極重陽子ビームを用いて、広い範囲の励起エネルギー3<E_χ<25MeVならびに散乱角度2.5°<θ_<lab><7.5°について行うことができ、スピン-重ならびに二重反転確率の導出に世界で初めて成功した。その結果、スピン-重反転確率が確かにスピン励起状態については大きな値を示すことが明らかになり、また、スピン二重反転確率については測定範囲内ではほとんどゼロと矛盾しない値であることもわかった。 このように本研究の初期の目的をほぼ達成することができた。
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