研究課題/領域番号 |
04402007
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三本木 孝 北海道大学, 理学部, 教授 (60000791)
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研究分担者 |
平尾 健一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60001757)
小野寺 彰 北海道大学, 理学部, 助教授 (40142682)
野村 一成 北海道大学, 理学部, 教授 (80128579)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1992年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | ベチガード塩 / スピン密度波 / スライディング / 半金属SDW / しきい電場 / 電流振動 / ピン止め / 過渡振動 / スライデング / 過波振動 / SDW / スライデイング / 狭帯域雑音 / ベチガート塩 / 金属・非金属転移 |
研究概要 |
有機錯体Bechgaard塩の代表物質である(TMTSF)_2AsF_6について伝導度の圧力・温度・電場依存性を測定した。低圧力で、スピン密度波のスライディングによる非線形伝導が開始する臨界電場を温度の関数として求め、真木らの理論と比較した。スピン密度波のピン止め機構として不純物ではなく整合性が支配的であると結論した。これは、Bechgaard塩のスピン密度波中で整合波数をもつ可能性の最初の例である。低圧力で、臨界電場および非線形伝導度の温度依存性が3Kで急激に変化することを見いだした。スピン密度波状態内での相転移の存在を指摘した。ヘリウム3を用い、0.6Kまで測定温度を拡張した。低温での測定からスピン密度波のスライディング機構は全温度領域で単一であり、半古典的描像で統一的に理解できることを示した。上記の臨界電場が試料結晶の断面積の減少とともに増加し、細線試料では臨界電場の温度依存性も異なることを見出した。表面による密度波のピン止めとスライディングへの影響を指摘した。臨界電場以上の高電場においてパルス応答中に減衰振動部分を観測した。その振動数は電流の非線形項に比例し、直流バイアス下の定常的電圧振動の振動数に一致する。その比例係数は温度には依存しない。密度波のスライディングに関しての剛体モデルとの比較から、スライディング速度に関する情報を与えるものである。臨界電場に対する結晶中のアニオン配向の乱れの影響を調べた。配向の乱れを不純物ポテンシャルに置き換えることにより、臨界電場の温度依存性を理解できることを指摘した。金属-非金属転移温度と非金属温度領域での活性化エネルギーをスピン密度波の消失する臨界圧力付近まで測定した。真木らの理論との比較から、非金属への転移はスピン密度波転移とは異なることを指摘した。半金属的なスピン密度波状態の存在を初めて実証した。
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