研究課題/領域番号 |
04403007
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂田 祥光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60029874)
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研究分担者 |
武久 千晶 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (00243270)
杉浦 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60252714)
今掘 博 (今堀 博) 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90243261)
兼田 隆弘 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50029899)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
36,500千円 (直接経費: 36,500千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1993年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 24,700千円 (直接経費: 24,700千円)
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キーワード | 生体機能 / 共役パイ電子系 / 光合成電荷分離 / 分子認識 / 電子移動 / ポルフィリン / ホスト・ゲスト相補性 / ドナー・アクセプター / 光合成 / アゾフェノール色素 / クラウンエーテル / 電荷分離 / ポルフィリン二量体 / エナンチオ選択的分子認識 / エナンチオ選択的呈色反応 / キラルホスト / アゾフェノール |
研究概要 |
種々の生体機能のうち光合成電荷分離と分子認識の機能に焦点を絞り、共役パイ電子系有機化合物を構築することによってこれらの機能の分子レベルでの機構解明を行ない、つぎのような点を明らかにした。すなわち、光合成電荷分離機能については、 1)堅固なスペーサーを持つポルフィリン-キノン化合物を合成し、ドナー、アクセプターとスペーサー部のシグマ結合の方向の違いという僅かな差が電子移動に大きな影響を与えていることを見出した。 2)ドナー一個に対してアクセプターが二個存在する化合物を合成し、電子移動経路が二つあるものは一つのものに比べて電子移動速度が二倍になることを見出した。この発見は今後、効率の高い電荷分離システムの構築に有用な指針を与える。 3)光合成の初発電子移動を起こす部分はポルフィリンの二量体構造をとっていることに関連して二個のポルフィリンのメソ位を二重結合で結んだ化合物を種々合成し、その構造、生成機構などを検討した。 4)電荷分離機能を持つ分子からエネルギーを取り出すための研究の第一歩として長鎖アルキルチオールで置換した化合物を合成し、これを金の表面上に自己集合化させて単分子膜を作製し、このものが外界と電子のやりとりを行うことを見出した。 5)アクセプター部にC_6を用いた分子内電子移動系の合成に成功し、これらの化合物において電子移動が効率よく起こることを見出した。次に、分子認識機能については、これまでホスト分子にゲスト化合物が取り込まれたのを適切な方法が少なく、詳細な知見が得難かった。そこで、共役パイ電子系をホストとなる分子に取りつけて、ホストがゲストを認識して取り込んだ際、色が変わるように設計し、色の変化を情報源として用い、種々のアミンとのホスト・ゲスト相補性について検討した。ホスト分子に三種類の異なるキラル部位を導入した結果、いずれのホストもエナンチオ選択的にキラルなアミン類を認識して呈色が異なることを見出した。この選択性は錯体の立体構造から予想されるものと一致した。
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