研究分担者 |
沓水 祥一 岐阜大学, 工学部, 助手 (80214964)
海老原 昌弘 岐阜大学, 工学部, 助手 (80201961)
宮田 幹二 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90029322)
辻 康之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30144330)
加藤 晋二 (加藤 普二) 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)
守屋 慶一 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40174461)
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配分額 *注記 |
32,500千円 (直接経費: 32,500千円)
1994年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1993年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1992年度: 23,400千円 (直接経費: 23,400千円)
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研究概要 |
有機金属および有機化合物の結晶構造を支配する分子間力,特に分子間多点相互作用の解析を進め,結晶構造を制御する方法論と結晶の機能評価の進展を図り,あわせて関連化合物の新規合成を進め,以下のような成果が得られた.1.遷移金属原子間結合を利用した新しい型の立体配置を持った共役電子系を創製することができた.すなわち,4つの芳香族架橋配位子をもつロジウム複核錯体の一電子酸化に伴う分子構造変化は,四つの配位子のπ電子系が金属原子間結合電子系と共役していることを示した.また,これら錯体のカチオンラジカル塩の結晶構造において,従来の有機分子結晶には見られなかった新しい電子的3次元相互作用系の構成されてることを明らかにし,物性面からもこれを明らかにした.2.コール酸ならびにその誘導体をホストとする一連の包接化合物の結晶構造において,ゲストに応じてホスト分子の官能基の立体配置が変化していて,ホスト・ゲスト分子認識が動的に行われていることが明らかにされた.3.チオ,セレノならびにテルロカルボン酸の各種誘導体を新たに合成し,それらのアルカリ金属塩結晶の架橋構造やアミドの非平面構造を明らかにした.4.第10族錯体触媒を利用した有機ケイ素ならびにスズ化合物の高選択的な合成法を開発し,触媒活性種モデルの結晶構造を明らかにした.5.フォスファゼン骨格をもつ液晶材料を開発し,その液晶相の構造を明らかにした.6.安定な16電子錯体が銀や銅のイオンと通常の化学結合より幾分弱いエネルギーの結合を作り,この複合錯体が配位子や金属種に応じて多様な結晶構造を持つことが明らかにされた. これらの成果を基に,分子間の多次元的相互作用を更に大きくして電導性・磁性等の物性改善を図り,また分子間力に由来する分電子子情報の発現機構の解明とその応用を図ることが今後の課題である.
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