研究課題/領域番号 |
04404004
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
江口 五朗 (江口 吾朗 / 江口 吾郎) 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
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研究分担者 |
阿形 清和 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70167831)
餅井 真 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90202358)
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (90161950)
芋川 浩 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 日本学術振興会特別研
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1992年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 細胞分化 / 分化形質転換(分化転換) / 遺伝子発現調節 / 細胞増殖因子 / 細胞外基質 / 色素上皮細胞 / 水晶体細胞 / 神経細胞 / 分化形質転換 / 遺伝子発現 / 多分化能 / 細胞の分化形質転換 / 細胞成長因子 / 脱分化 / 再分化 |
研究概要 |
研究の最終年度に当る平成6年度では、過去2年間の研究成果を踏え問題点を焦って研究計画を鋭意実施し、下記の成果をおさめた。 ◯本研究では、伊藤と江口(1986)が開発したニワトリ胚網膜色素上皮細胞の細胞培養分化転換実験系を活用して所定の計画を実施してきた。しかし、今年度に至り、網膜色素上皮細胞は培養条件に対する感受性が高いことが、培養液に添加する血清標品の質的低下が原因で明らかとなった。そこで、発生的由来の同一の虹彩色素上皮細胞について検討を重ねた。その結果、虹彩の色素上皮細胞は網膜のそれに比べて、培養条件に対する感受性が格段に低く、より安定に培養維持できることが明らかにされた。この事実に基いて、検討を加え従来の実験系よりも数段すぐれ、かつ安定な分化転換実験系を確立することに成功し、今後の研究の急速な進展が期待できるようになった。 ◯ヒト色素上皮細胞も、細胞培養条件下では容易に水晶体細胞に分化転換することを示してきたが、80歳の老人の網膜色素上皮細胞由来の多能的脱分化細胞を長期間培養維持し、4種のクローン細胞系列の株化に成功した。さらに、その1種がニューロフィラメント蛋白質を発現し、神経細胞に分化しうることを明らかにした。この成果は、ヒトの色素上皮細胞にもイモリの細胞と等しい水晶体細胞と神経細胞への分化転換能が保存されていることを示したもので、学術的意義は非常に大である。 ◯従来の研究から、組織の修復再生の初期過程では、細胞間の相互連絡が障害局所で一過性に失われると考えられてきた。イモリについて、レンズ再生初期過程でのギャップ結合の変化を遺伝子レベルの解析と、超微形態解析によって調査した。その結果、虹彩色素上皮細胞相互間のギャップ結合による細胞間連絡は、レンズ摘出後むしろ一過性に強くなることが明らかとなり、再生研究に新しい問題を提起することとなった。
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