研究課題/領域番号 |
04404018
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
|
研究分担者 |
松山 茂実 東京大学, 農学部, 助手 (80219526)
西原 真杉 東京大学, 農学部, 助教授 (90145673)
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
舘 鄰 東京大学, 農学部, 教授 (30011711)
林 良博 東京大学, 農学部, 教授 (90092303)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1992年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
|
キーワード | TGF-β / Activin(アクチビン) / Inhibin(インヒビン) / Follistatin(フォリスタチン) / 卵巣 / 初期胚 / 下垂体 / イムノアッセイ法 / activin(アクチビン) / inhibin(インヒビン) / follistatin(フォリスタチン) / 形質転換成長因子(TGF)-β / アクチビン / インヒビン / パラクリン調節 / フォリスタチン |
研究概要 |
形質転換成長因子-β(TGF-β)スーパーファミリーには、TGF-β、アクチビン、インヒビン、ミューラー管抑制因子(MIS)等が含まれ、これらは、細胞の増殖、分化誘導に極めて重要な役割を果たしているペプチド性成長因子である。本研究では、TGF-β、アクチビン、インヒビン、及びアクチビン結合蛋白質であるフォリスタチンに焦点を絞り、これらのペプチドによるパラクリン調節系の生物学的意義を、視床下部-下垂体-性腺-副生殖器系における機能発現調節、およびその作用機序を発生工学、分子生物学、組織化学など我々の持つ実験手法を駆使して研究を行った。以下に、その研究成果の概略を記す。1)アクチビンおよびその受容体遺伝子の発現をRT-PCR法で検討した結果、2細胞期胚以降のマウス初期胚にはアクチビン及びtypeIIBのアクチビン受容体遺伝子が発現していることが明らかとなる。一方、このような胚が存在する時期の卵管にはアクチビンは発現しているものの、受容体遺伝子の発現は確認できなかった。昨年度までの研究成果と総合すると、アクチビンは、初期胚分割を促進するオートクリン因子であり、また、卵管由来のアクチビンは初期胚におけるアクチビンのオートクリン作用を確実に発現させるためのパラクリン因子として機能していることが示唆された。2)主として免疫組織化学的手法により、プロラクチンによるラット黄体機能維持作用はマクロファージ由来のパラクリン因子、type2TGF-βにより仲介されていることが示された。3)アクチビンが下垂体のFSH産生細胞の分化促進作用を有することが明らかとなった。一方、下垂体組織にはfolliculo-stellate(FS)細胞と呼ばれる細胞が存在することが知られているが、FS細胞由来のフォリスタチンがアクチビン作用を抑制的に調節するパラクリン因子として機能していることが示唆された。4)ウマのアクチビン・インヒビンβAサブユニットのクローニングに諸家に先駆けて成功した。また、さらに、インヒビンαサブユニット、アクチビン・インヒビンβBサブユニットの遺伝子クローニングも現在進行中である。5)本研究では、アクチビン・インヒビン・フォリスタチンに対する特異抗体の作出に諸家に先駆けて成功し、これらの特異抗体を用いたイムノアッセイ系の開発にも成功した。本研究以前に報告されていたイムノアッセイ系においては、アクチビン(ββ homodimer)とインヒビン(αβ heterodimer)が共通のβサブユニットを擁するために抗アクチビン抗体がインヒビンをも認識すること、また、血清・組織サンプル中には、フォリスタチンの結合した活性を示さないアクチビンが相当量存在することなどの問題点が考慮されていなかったが、本研究ではこのようなアクチビン・インヒビン・フォリスタチン系の特異性を前提としたイムノアッセイ系の開発に成功している。
|