研究課題/領域番号 |
04404038
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
青山 英康 岡山大学, 医学部, 教授 (40032875)
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研究分担者 |
津田 敏秀 岡山大学, 医学部, 助手 (20231433)
青木 省三 (青山 省三) 岡山大学, 医学部, 助教授 (80144749)
三野 善央 岡山大学, 医学部, 助教授 (80181965)
馬場園 明 岡山大学, 医学部, 助手 (90228685)
甲田 茂樹 岡山大学, 医学部, 講師 (50205332)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1992年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | プライマリ・ケア / うつ病 / 精神保健 / 家族 / 感情表出 / 分裂病 |
研究概要 |
プライマリ・ケアのうつ病に関しては、3日間に地域診療所を受診した患者全員を対象に質問紙調査を実施した。質問紙はうつ病を診断するための日本語版うつ病診断調査表(Inventory to Diagnose Depression, IDD)、身体的健康状態把握のための健康機能評価票(Dartmouth COOP Functional Health Assessment Charts)日本語版などとした。対象者302名の内275名より有効回答が得られ、大うつ病有病率は6%であり、小うつ病まで含めたうつ病有病率は13%であった。うつ病と身体的健康状態、社会活動、痛み症状などは明らかに関連していた。6カ月間追跡したところ、大うつ病と診断された16名の内13名が追跡可能で、その54%は回復していた。米国、イスラエルで同様の研究を行ったところ大うつ病有病率は米国13%、イスラエル3%であった。うつ病と健康機能はいずれの国でも関連していたが関連の仕方が異なっていた。プライマリ・ケアにおけるメンタル・ヘルスへの配慮が重要であることを示す結果であった。 分裂病の経過と家族の感情表出(EE)との関連については、52名の分裂病者を2年間追跡するコホート研究を行った。家族のEEはカンバウェル家族面接によって評価した。高EEの家族とともに生活していた分裂病者24名の9カ月再発リスクは58%であり、低EEの家族と生活した28名の再発リスクは21%であった。多変量解析を用いてBPRSでの精神症状、薬物療法、罹病期間などをコントロールしても、家族のEEは最も強く再発と関連していた。また、2年間の追跡でもEEと再発は関連していた。日本におけるEEのあり方を国際的に比較検討し、わが国におけるEE研究に基づく家族介入が我が国における分裂病の地域ケアを促進するための大きな役割を果たしうることを明確にした。
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