研究課題/領域番号 |
04404052
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
斎藤 洋一 (斉藤 洋一) 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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研究分担者 |
竹山 宜典 神戸大学, 医学部, 助手 (70263374)
山本 正博 神戸大学, 医学部, 助教授 (40166822)
大柳 治正 近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
18,500千円 (直接経費: 18,500千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1992年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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キーワード | 急性膵炎 / 細胞骨格 / 微小管 / 低分子量GTP結合蛋白質 / セルレイン誘起膵炎 / 膵外分泌 / 膵外分泌機構 |
研究概要 |
本研究は、膵腺房細胞の小胞輸送機構と低分子量GTP結合蛋白であるrabllp24に注目して、急性膵炎の発症機構を分子レベルで解明しようとするものである。 まず、平成4年度には胆石性膵炎のモデルと考えられるセルレイン誘起膵炎に胆管閉塞を加えたより臨床型に近似した膵炎モデルを確立し、このモデルにおける細胞内小胞輸送機構の障害について解析し、本モデルでの小胞分泌障害の増強現象がその重症化と関連していることを明らかにした。 平成5年度には膵外分泌におけるrabllp24の動態を解析し、正常時にはrabllp24が膵腺房細胞内で可溶性画分から顆粒画分へ移行することを確認した。また、ラットを用いたセルレイン誘起膵炎時の膵腺房細胞における細胞骨格系の障害をも解析し、微小管の形成そのものには大きな障害はないことを観察した。 最終年度では、微小管形成阻害剤であるコルヒチン投与時の膵腺房細胞における小胞輸送の状態をセルレイン誘起膵炎と比較し、セルレイン誘起膵炎における小胞輸送障害は微小管安定化剤タキソ-ル投与でほぼ完全に消失し膵炎が抑止されるのに対して、コルヒチン投与では微小管は破綻し著明な分泌抑制が認められるにもかかわらず急性膵炎は発症しないことを明らかにした。さらに、セルレイン誘起膵炎時には、正常時に見られるrabllp24の可溶性画分から分泌顆粒への移行現象が抑制され、この抑制現象はタキソ-ル投与でも回復しなかった。 以上の結果より、急性膵炎時には腺房細胞における微小管を介した小胞輸送のうちrabllp24と結合する部位での小胞輸送障害があり、この部分でrabllp24の可溶性画分から分泌顆粒への移行が抑制されていることが急性膵炎発症の一因となっていることが示唆された。
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