配分額 *注記 |
22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
|
研究概要 |
1.血管活性物質(キニン類およびヒスタミン),LPSおよびフリーラジカルと舌動脈 (1)ブラジキニン(BK)はイヌ舌動脈を内皮非依存性に収縮させる。 (2)BKの舌動脈収縮作用は,主としてB_2キニン受容体作動性Ca^<2+>チャネルとNa^+_-Ca^<2+>交換機構によるCa^<2+>流入増大の結果である。 (3)LPSは血管平滑筋に分布するシナプス前膜α_<2->受容体およびムスカリン受容体感作能をもつ。 (4)LPSは自身の分子中よりフリーラジカルを発生させる。 2.舌動脈収縮/弛緩系と血管活性物質.LPSおよびフリーラジカル相互作用 (1)ヒスタミンはIP_3産生を介して血管収縮を惹起する。これは,細胞内Ca^<2+>ストアの一部のコンパートメントからのCa^<2+>遊離による。 (2)フリーラジカルは,細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>遊離を抑制するとともに,細胞膜の電位依存生Ca^<2+>チャネルからのCa^<2+>流入を促進する。 (3)舌動脈周囲神経はCGRPを拡張性伝達物質として含有する。 3.フリーラジカルと血管収縮/弛緩 (1)スパーオキサイドはイノシトールに関連する細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>遊離に影響せず,Ca^<2+>によるCa^<2+>遊離を抑制する。 (2)ヒドロキシルラジカルは,CGRPに反応するATP感受性K^+チャネルの開口を抑制する作用と,CGRP合成系を抑制する作用とをもつ。 (3)一重項酸素は選択的に内皮依存性弛緩を非可逆的に障害する。 以上の研究成果から,LPSとの関連で歯周疾患を解明する糸口をフリーラジカルに求めることが可能となった。とくに,血管平滑筋細胞機能と歯周組織循環不全との連携を「LPS-フリーラジカル」関係で説明することが今後の課題である。
|