研究課題/領域番号 |
04451020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
御領 謙 千葉大学, 文学部, 教授 (70008960)
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研究分担者 |
江草 浩幸 千葉大学, 文学部, 助手 (90168774)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1994年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 読書 / 書字 / 変換視 / 逆転視 / 知覚-運動協応過程 / 知覚的順応 / 眼球運動 / 高次認知過程 / 知覚一運動協応過程 |
研究概要 |
人間の認知過程を知覚的世界とその中での高次認知活動とに分類する考え方がある。前者は、知覚-運動協応過程と深く関わり、対象の位置、方向、大きさ、上下関係などに関して安定した世界である。しかし、人間の言語活動のような知的活動は知覚的世界を土俵として行われるものと考えて良いであろう。本研究では、読み書き行動の実験的観察を通して、上記の2分法の妥当性を検討し、知覚-運動協応過程と高次認知過の特徴および両者の交互作用の在り方を探った。 具体的には、2名の被験者に連続して2週間逆転眼鏡を装着させ、通常の視覚-運動協応関係が破壊された事態での読み書き行為の再適応過程を組織的に観察すると同時に、標的指示課題や目標追跡課題などの視覚-身体的運動の再適応過程、さらに両眼立体視ほかの知覚的機能の変容過程をも合わせて観察した。そして、これらの結果を、筆者の以前の研究結果や通常の視覚的世界における視覚-運動協応に関わる諸知見とを照らし合わせて、分析し考察した。その結果、両眼立体視機能などを含む初期視覚系に関わる視覚-運動協応過程は、かなり急速に逆転視野状況に適応することがわかった。しかし、その経過は必ずしも意識的な知覚の変容と並行はしておらず、主観的には逆転した世界に住みながら身体運動はスムースに行えるという状況が存在した。また、読書行為の際の文字の見えなどは、本研究の順応期間においては、あくまでも逆さであり続けた。これらの結果を考え合わせると、初期視覚的現象と異なり、読書行為などは、与えられた視覚的世界内での、より高次な認知的活動であると言え、先に述べた知覚・認知過程の2分法的枠組みは肯定されたと言える。
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