研究課題/領域番号 |
04451040
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
谷 勝英 東北福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70118363)
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研究分担者 |
広浦 幸一 東北福祉大学, 社会福祉学部, 兼任講師
赤塚 俊治 東北福祉大学, 社会福祉学部, 兼任講師
田上 喜美 東北福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (20179568)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ネパールの児童 / ネパールの福祉 / ネパールの貧困 / 児童就労 |
研究概要 |
1.ネパールにおいては、法律で禁じられている児童就労が存在する。 2.ネパールの児童就労は、農村部と都市部においてその性格が異なる。伝統的な農村においては、マキ集め、水汲み、乳幼児の世話、炊事、動物の世話、あるいは農業の手伝いなど、生計を維持するための仕事である。それに対して、都市部における児童就労は、じゅうたん工場、煉瓦工場、あるいはホテルやレストランの手伝いなど、それは賃労働の形態をとっている。また、近年の傾向として、農村部においても紅茶などのプランテーションなどにおいて、児童の就労がみられる。 3.これら学齢期にある児童の就労は、児童の健全な発達を阻害する。 4.近代化の過程のなかで、次第に家族が貨幣経済のなかに組み込まれ、現金を必要とする生活になりつつある。徐々に伝統的な親族扶養や地域の相互扶助関係などが崩れつつある。そのなかで、多くの児童は、家計を補助する賃労働をするために都市やプランテーションでの就労を余儀なくされている。 5.ネパールの社会福祉は、財政的にゆとりがなく、直接的なサービスは民間団体に依存しているという状況にある。民間団体の場合は、それぞれの活動の主旨があるため、特定の地域や分野に対してサービスを提供するという形態になっており、公平な形で必要な人に必要なサービスを提供するというシステムはできていない状態である。特に、多くの団体は海外のNGOからの資金援助を受けているか、あるいは海外のNGOが直接援助している例が多く、しかもその多くはカトマンズに集中する傾向にある。そのため農村部においては乳幼児の死亡率が高いだけでなく、児童の発達障害に対する専門家の不在、就学機会の欠如など、児童の健全な発達を保障することが困難な状況が存在するのである。 以上が本年度のまとめである。
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