研究課題/領域番号 |
04451047
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
高橋 伸一 佛教大学, 社会学部, 助教授 (80154821)
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研究分担者 |
〓蔗 寂泉 (かん蔗 寂泉) 佛教大学, 社会学部, 講師 (80186163)
若林 良和 松山東雲女子大学, 人文学部, 助教授 (10201146)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 生活史 / 石炭産業 / 離職者 / 社会移動 / ネットワーク / 生活記録 / 離職 / 広域移動 / 地域開発 |
研究概要 |
本研究では、労働と生活を統一的にとらえる方法として「生活史」調査を用いる研究である。研究対象は、1960年代に「エネルギー革命」の名の下、大量に発生した離職・失業者である。彼らとその家族の離職後の生活を丹念に追跡調査し、移動過程を生活史により総合的に分析することが本研究の目的である。 このことは、人が生きてきた歴史には教科書などに記述された歴史にはかえがたい重みがある、という基本認識をとともに社会把握の観点として個人の側からのアプローチ、主体としての個人の役割にスポットを当てることを意味する。 具体的な研究成果は、実施した生活史記録そのものであるが、あえて調査研究の過程で得られた知見を紹介すると、次のように概括することができる。 O1)個人の移動は、社会状況の変化への対応という形態を呈するが、いつ、どこに、どのような仕事をといった過去の語りの中に、複雑に絡み合った生の人間関係が浮かんできた。 2)移動層と滞留層という二つのグループは、自分を取り囲む家族、社会との関係の中で、それぞれ主体的な生き方を発揮するが、移動層はそれまでの炭住社会を離れ、新しい価値との出合いという経験、困難と戸惑いながらも〈共働き〉による所得の安定、社会資源の活用という都市的なライフスタイルを採用する。 3)滞留層は従来のネットワークの維持に奔走し、その意味では伝統的なライフスタイルを尊重する傾向がうかがえた。特に子との同居という家族スタイルでそのことを実現する。 なお、当初3年間の研究計画であったが、諸般の事情により2年間に短縮せざるを得なくなった。生活史記録の本格的な利用は今後の課題となる。
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