研究課題/領域番号 |
04451118
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
広原 盛明 京都府立大学, 学長 (90046475)
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研究分担者 |
広嶋 清志 厚生省人口問題研究所人口政策部, 部長
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 出生率 / 家族政策 / 女子雇用労働力率 / 人口減少 / ライフスタイル / ライフコース / 住宅政策 / 予定子ども数 / 理想子ども数 / 保育所 / 幼稚園 / 子育て費用 / 出生力 / 女性政策 |
研究概要 |
1.海外及び国内の出生率低下に関する人口動態研究及びそれに関連する家族政策と住宅政策に関する文献研究によると、出生率低下の直接的原因として、子育て費用の増大、女性の身心の負担の増大、不充分な住宅事情、仕事と育児の両立困難の4大要因が共通して挙げられており、その背景に女性の高学歴化と社会進出にともなうライフスタイルの変化及びそれにともなう晩婚化・晩産化傾向のあることが指摘されている。 2.国連人口統計及びILO労働統計に基づく合計特殊出生率と女子雇用労働力率の年次変化に関するマクロ分析によれば、両者の間には有意の相関関係があり、(1)女子雇用労働力率が上昇すると合計特殊出生率は低下する、(2)女子雇用労働力率が一定水準(40%程度)を超えると出生率は回復傾向を示す、(3)女子雇用労働力率が低水準(25%以下)にあると合計特殊出生率はなお低下する、という明確な傾向が認められた。これは女性の雇用労働者化すなわち社会進出が進むにつれて出生率はいったん低下するが、就業条件と子育て条件の社会的整備が進むと出生率が回復することを示している。 3.東京都内・京都市内の計26ケ所の保育所・幼稚園の保護者夫婦2598組を対象として「子育て環境のアンケート調査」を実施し、1829組、70.4%の有効回収票を得た。調査結果によると、(1)両地域とも妻が有業主婦である保育所、専業主婦である幼稚園の保護者間で性別役割分業意識に基づくライフコースに大きな違いがある、(2)現在子ども数の平均は東京都内保育所2.04人、幼稚園2.14人、京都市内保育所1.95人、幼稚園2.09人で幼稚園の方がやや多いが、予定子ども数の平均は両地域及び両施設ともに2.34人と変わらない。これはライスコースの違いが子どもの数にではなく出産期間の延長という形で現れることを示している、(3)「子ども1人でよい」とする全体の約15%の夫婦は、両地域ともその根拠を主として自分たちのライフスタイルの選択との関連で考えているが、「2人以上の子どもを持ちたい」と考える大多数の夫婦は、教育費・子育て費用と居住環境条件の確保を実現のための2大条件として重視しており、とりわけ東京都内においてその切実感が高い。 4.これらの結果から、優遇税制、家族手当て、出産・育児休暇、保育サービス、住宅保障などを含む総合的家族政策の推進が、2人以上の子どもを産みたいと考えている夫婦に対して有効な影響力を持つと結論できる。
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