研究課題/領域番号 |
04451144
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大塚 明敏 金沢大学, 教育学部, 教授 (60168987)
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研究分担者 |
細渕 富夫 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (10199507)
国分 充 金沢大学, 教育学部, 助教授 (40205365)
片桐 和雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (00004119)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 精神遅滞児 / 眼球運動 / 身体動揺 / 行動調整能力 / 授業分析 / 視運動性眼振 / 行動調整 |
研究概要 |
教育診断法について、我々は多様な子どもの能力を多面的にとらえるものであらねばならないと考え、感覚・運動系・言語系の3つの能力を的確に評価できるものを目指し、資料を収集した。感覚系については、種々の感覚の中で最も重要とされる視覚系を取り上げ、情報取り込みを保障している眼球運動機能を調べた。精神遅滞児、健常幼児、成人で視運動性眼振を測定したところ、精神遅滞児では周辺視野刺激に対する定位が十分でないことが明らかとなった。運動系に関しては、人間にとって最も基本的な運動機能である直立姿勢を調べた。精神遅滞児、健常幼児、成人の立位姿勢保持時の身体動揺を視覚条件を統制して調べたところ、精神遅滞児では動揺が大きく、その要因のひとつは視覚情報を身体動揺のコントロールに適切に用いることができないことであることがわかった。言語系については、言語の3大機能のひとつである行動調整機能を調べた。その結果、精神遅滞児の行動調整機能の障害は単に言語の問題として顕在化するにとどまらず、感覚系や運動系の問題とも密接に関連していることが示された。また、行動調整機能に障害を有する者に対しては、するべき行動を直観的・外的に明らかにするという指導法の原則が示された。一方、指導法の作成に当たっては、それが実際には授業で行われることが中心となることを念頭を置き、実際の授業場面で教師のどのような働きかけがどのような子どもの行動を引き起こしているかを小型ビデオカメラを子ども及び教師の頭部に取りつけ、その画像を解析することにより検討した。以上の検討から、教育診断シスステムの基本的な項目に関する基礎的資料が得られ、実際の子どもの評価も可能であることが確認された。しかし、これらはいまだ基礎的・実験室的検討の段階にあり、具体的な診断及び指導法の作成に有機的に結びつけていく研究が今後とも必要である。
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