研究課題/領域番号 |
04452039
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 厚子 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20017180)
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研究分担者 |
森本 せつ お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (90017195)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | スピングラス / リエントラント スピングラス / クラスターグラス / 弱磁場磁化 / 非線形帯磁率 / メスバウアスペクトル / μSR / 強磁場磁化過程 / リエントラントスピングラス / MSR / ランダム磁性体 / ランダムフラストレーション系 / 高磁場磁化過程 / 希釈反強磁性体 / ランダム磁場 / 中性子散乱 / 弱磁場磁化測定 / メスバウア分光 |
研究概要 |
観測の時空尺度によってスピングラス(SG)系は多様な側面をみせる。本研究課題では、次の6つの観測手段を用いてSG系の性質を多角的に調べた。(1)弱磁場磁化測定、(2)交流体磁率、(3)メスバウア分光,(4)中性子散乱、、(5)ミューオンスピン緩和,及び、(6)強磁場磁化過程である。研究対象としたSG系は、磁気的に濃厚系としては、イジング系FexMn1-xTiO3及びハイゼンベルグ様系NixMn1-xTiO3、又、希釈系としては、イジング系FexZn1-xF2とFexMg1-xTiO3及びハイゼンベルグ様系MnxMg1-xTiO3である。以下に主な結果の概要をまとめる。(1)FexMn1-xTiO3:(1)濃度-温度磁気相図の詳細を決めた。(2)de Almeida-Thouless理論の正しいことを示した。(3)SG系では磁場中冷却状態が安定状態であること、スピン系が多谷階層構造を形成しているとする理論と矛盾しない現象を見出だした。(4)SG凍結温度(Ts_G)以下でもスピン系に揺らぎが残っていることを見出だし、イジング系におけるスピンの横成分の存在によると推論した。(5)リエントラント(RSG)転移点で非線形帯磁率の発散的振舞いを観測し、RSG転移が相転移であることを示唆した。(2)NixMn1-xTiO3:弱い異方性をもつハイゼンベルグ様系について、理論的には予測されていた直交するスピン成分が異なる温度で逐次SG凍結することを実験的に初めて見出だした(x=0.42,0.47)。(3)FexZn1-xF2(x=0.26)およびFexMg1-xTiO3(x=0.20):Ts_Gの2倍以上高温で多数の反強磁性 (AF)クラスターが形成され、Ts_GにおいてそれらのAFクラスター間でSG凍結を起すクラスターグラスであることを示した。希釈系のパーコレーション濃度以下で出現するSGに共通する凍結機構であると推定している。(4)MnxMg1-xTiO3:濃度-温度相図の概略を決めた。x-0.57でランダム磁場効果を示すAF系からSG系へ移行することを見出だした。この系では、SG凍結がAFクラスター間で生じているかどうかは、まだ確かめていない。
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