研究課題/領域番号 |
04452045
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
安西 弘行 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40222773)
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研究分担者 |
小林 本忠 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90195818)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 結晶成長 / 電荷移動錯体 / 有機金属 / 電解 / 有機超伝導体 / 電解移動錯体 / 有機導電体 |
研究概要 |
有機金属、有機超伝導体の研究を促進するために、それらの良質な結晶を得ることが目的である。 本年度は前年度に引き続き「成長中の結晶の大きさと加えた電流値との関係」を明らかにすることを目標とし、前年度に提案した関係式(1)に従って結晶成長を行った。 ただし、t:時間(日)、I:電流値(μA)、cは定数である。 I=〓t^2+0.1(1) 結晶育成条件はドナー0.13mmol、支持電解質0.52mmol、溶媒60ml、20℃、電流値は0.1〜4μA、結晶育成期間は約1.5カ月である。この結晶育成法では種結晶を使用しないので、次のようにして双晶や格子欠陥などの発生を防いだ。結晶育成を開始後、微細結晶を確認したら、電流を切り、しばらく微細結晶の様子を観察する。微細結晶が発生した時点では電解されたドナーが過飽和と見られるためである。微細結晶の成長が停止した時点で、再び切った時点の電流値の電流を流し、育成を継続する。このようにして良質な結晶が得られるようになった。(BEDT‐TTF)_2Cu[N(CN)_2]XのX=Cl,Brの結晶育成も行った。前者は結晶育成が非常に困難なことと、いくつかの組成の異なる結晶が同時に育成することが知られていたが、この方法によって容易に良質な単一の結晶が得られるようになった。後者はさらに容易に得られた。(TMTSF)_2XのX=ClO_4,PF_6,AsF_6の結晶を従来の方法で育成すると、しばしば中空のパイプ状の針状結晶が得られたが、この方法では良質で、空洞のない結晶が得られている。 これまでに試みられてきた有機電荷移動錯体の結晶育成については、この方法によってこれまで得られなかった結晶が得られたり、得られてきた結晶ではより良いものが得られているので、この方法は有機溶媒中での電解による有機電荷移動錯体の結晶育成法として一般的に適法であることが明らかになった。
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