アンダーソン局在の易動度端での臨界現象はくり込み群方程式で示されるようにその理論的扱いは場の理論と深く関係している。弦理論は二次元での共形場理論と関係しているが、ここでは弦理論による散乱振巾公式を使って、局在のくり込み群方程式を決定できることを具体的に示し、5次の項まで計算した。また電気伝導度の多重モーメントのゆらぎもデイラトン及び質量場のくり込みで説明できることを示した。二次元重力と結合した物質場は、ストリングの振舞いを表わすが、これをマトリックス模型で表現し、その臨界現象を調べた。特に中心電荷が1以上の場合について摂動展開によりストリング感受率を数値的に求めた。この問題はランダム表面上の多重イジング模型と同等であることも判明した。また、二次元で強磁場下、量子ホール効果状態でのアンダーソン局在を2バンド不純物散乱の場合に厳密に解いて、バンド中心で非局在であることが判かり、電気伝導度の値を得た。また、二次元強磁場下での電子のエッジ状態の相関関数を、マトリックス模型の手法で計算し、二次元重力の理論との関係を調べた。
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