研究課題/領域番号 |
04452051
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
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研究分担者 |
鄭 国慶 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50231444)
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 重い電子系超伝導体 / 磁気秩序 / スピンのゆらぎ / UPd_2Al_3 / UNi_2Al_3 / CePd_2Al_3 / NMR / NQR / 重い電子系超伝導 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
本研究では、核磁気共鳴法(NMR)を用いて、重い電子系超伝導体UM_2Al_3(M=Ni,Pd)の磁性と超伝導の特徴をミクロ観点から調べ以下のような重要な成果を挙げた。 1.U123系の磁性 1.UNi_2Al_3は、比較的小さい0.06μ_Bの磁気モーメントがc-軸方向に変調されたヘリカル構造であることを結論した。さらにT_1の温度変化から、スピンの揺らぎの性質はこれまでの重い電子系の振る舞いとは異なり弱い金属反強磁性体で観測された特徴を持ち、スピンの揺らぎの波数依存性が大きいことが判明した。 2.UPd_2Al_3については、中性子回折の研究で明らかにされた磁気構造と予盾しない結果が得られた。また他の実験から示唆された磁場中の磁気多重相は、反強磁性のドメイン構造に起因していることが分かった。さらにT_1の測定から、磁気転移温度以下で、約40K程度のエネルギーギャップが発生するが、低温では、T_1T=一定の振る舞いが観測されフェルミ面の1部で状態密度が残ること、また反強磁性との共存を維持したまま超伝導に転移する事が分かった。 2.U123系の超伝導 UNi_2Al_3については、T_c以下で(1/T_1)やナイトシフトに変化はなく、この系の超伝導性は確認できなかった。しかし、UPd_2Al_3については、以下の様な重要な結果を得た。 1.核スピン-格子緩和率(1/T_1)の温度変化は、T_c直下での増大なしにT^3に近い温度変化をし、これまでに報告されていた重い電子系超伝導体の振る舞いと一致している。従ってUPd_2Al_3の^<27>AlのT_1の温度変化は、線状でギャップレスになる異方超伝導モデルで、他の重い電子系超伝導体と同様に一貫して説明できることが判明した。しかしながら、0.6K以下の低温では予想される変化からずれる。これが、超伝導混合状態での磁束の影響なのか、試料の質に起因するのかを調べる為に、1/T_1の磁場変化を測定した。その結果、磁場の減少と共に、1/T_1が減少し、T^3に近づくことが分かった。 2.ナイトシフトの測定をUPd_2Al_3の多結晶および単結晶を用いて測定を行い、この系のスピン帯磁率がT_c以下減少する事が分かった。この結果から、クーパー対がスピン一重項であることを結論した。
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