研究分担者 |
河本 敏郎 神戸大学, 理学部, 講師 (70192573)
蝦名 邦禎 (蛯名 邦禎) 神戸大学, 発達科学部, 講師 (50151999)
原 俊雄 神戸大学, 理学部, 助教授 (50156486)
國友 正和 神戸大学, 理学部, 教授 (40031348)
森井 俊行 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20031370)
福田 行男 神戸大学, 理学部, 助教授 (40025482)
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研究概要 |
本研究の目標は,「強いCP問題」の解決のために要請される未発見の極めて小さい質量を持つ素粒子アクシオンを生成・検出することである。以下に,理論的研究と実験的研究とに分けて研究成果報告書の概要を示す。 I.理論的研究(1)アクシオン研究の背景:本研究の理論的背景として重要なアノマリー(量子異常),強いCP問題等について詳細に見直した。(2)Peccei-Quinn対称性:素粒子の標準理論にアクシオンを導入する端緒となったPeccei-Quinn対称性を本研究の観点から議論した。(3)光共振器内でのアクシオンの生成・検出:レーザーフォトンを強い磁場を加えてアクシオンに変換し更にこれを逆変換したフォトンを検出する方法に本研究の実験計画で初めて導入する光共振器の効果が極めて有効であることを理論的に確認した。(4)神戸大学グループの実験の予想:本研究の実験で期待される結果を数値的に予想し,100日間の観測により,アクシオンと電磁場の結合定数gの上限を10^<-7>程度に押さえることが可能であるとの結論を得た。 II.実験的研究(1)序論:「アクシオンの物理」,「アクシオン検出の現状」についてまとめた。(2)実験の原理(アクシオン-フォトン相互作用):アクシオン-フォトン変換の実験と光共振器をこれに加えた本研究の実験の原理を述べた。(3)実験装置:制作した実験装置の概要を示し,特に,この実験装置のもっとも重要な構成要素である高性能の光共振器(フィネス〜10,000)についてその特性とレーザー光及び信号光の波長に共振器をロックする技術について詳しく述べた。(4)結果,考察:装置の総合的な特性とアクシオン検出の実験の結果についてまとめた。(5)最後に,1996年に出版された論文誌に掲載された本研究の実験の報告,"Production and Detection of Axions by Using Optical Resonators",Y.Fukuda, T.Kohmoto, S.Nakajima, and M.Kunitomo, Prog.Crystal Growth and Charact.33 (1996) 363-366,を収録している。
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