研究課題/領域番号 |
04452064
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山岡 耕春 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70183118)
|
研究分担者 |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
小山 真人 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70183811)
熊沢 峰夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (60022571)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | 火山 / 珪化木 / 浅間山 / 天明の噴火 / 年輪年代学 / 富士山 / 炭化木 |
研究概要 |
今年度は、前年度課題になっていた浅間山1783年鎌原岩なだれ中から出土した埋没木の解析の問題点を解決することが主眼になった。前年度に明らかになった問題は、鎌原岩なだれで埋没し鎌原村芦生田地区で発見された木の年輪と木曾檜で得られた標準年輪曲線と対比で、通常の年輪巾のみの情報を用いる手法では候補となる年がユニークには決らなかったことである。このサンプルの場合得られた年輪の数があまり多くないため、1783年のほかに14世紀や17世紀にも相関の高い年が表れてしまうという問題である。そこでそれを補う方法として放射性同位元素の炭素14を用いて、その濃度の変動パターンから年代を推定することを試みた。炭素14は植物化石の年代を測定するのに用いられていて、通常炭素14の割合はほぼ一定だという仮定を用いている。しかし実際には炭素14の濃度は太陽活動の影響などにより年々変化し、ある変動のパターンを持っている。この変動のパターンは年輪にも記録されていて、しかも世界的に一様であり、年輪巾の変化の代わりに炭素14の割合の変化パターン合わせができるというわけである。測定は名古屋大学年代測定センターのタンデトロンを使わせていただいた。その結果年代の解析精度は飛躍的によくなり、ほぼユニークに1783年の噴火により埋没した木であることが判明した。本研究によって年輪年代学と炭素14による火山噴火年代推定法をほぼ確立したと考えられる。本手法を応用することにより、古文書のない昔や北海道のような古文書記録の少ない地方の噴火史を紐解くことが可能になったのである。本年度の科学研究補助金は試料収集のための旅費のほか解析のための消耗品購入に供した。
|